「テレビ電話で顔を見てはいるけれど…」遠距離恋愛に我慢の限界を案じる女性たち

人間関係

 

■テレビ電話で顔を見てはいるけれど


関東在住のミエさん(29歳)は、同い年の彼と遠距離恋愛になって8ヶ月がたった。彼がいるのは関西だ。つきあって7ヶ月たらずで遠距離になったため、最初は毎週のように行ったり来たりしていたという。


「でもお金がかかって……。彼はもともと関西出身で、実家から会社に通えるようになったんです。私はひとり暮らしでただでさえ生活するのがやっと。彼が新幹線代を半分出してくれたりしましたが、ついに私が音を上げて、月に1,2回、どちらかが行くということにしました」


最後に会ったのは1月の末。それ以降、ミエさんの仕事が忙しくなり、あげく新型コロナウイルスの影響で、この3ヶ月会えていない。


「毎日のようにテレビ電話などで顔を見て話していますが、彼は家族もいるし地元に友だちもいるし、たまに友だちが家に来て飲んだりもしているみたい。私はすでにほぼ完全に在宅勤務で、ひとり暮らしだと誰とも会話しないことも多々あって。テレビ電話しても、最近は彼となんだか話が合わないんですよね」


彼も、鬱々としているミエさんに「元気出せよ」というものの、どこか他人事のようだという。


「私は彼に会いたいとずっと言っているんですが、彼は『今はダメだよ、いつか会えるから』と言う。状況はわかっているけど、それでも会いたい、会いに行くよとか会いに来いよとか言ってほしかった。彼は寂しくないんでしょうけど、私は寂しい。遠い故郷には祖父母もいるのでゴールデンウィークにも帰省できませんし」


ミエさんは自分がどんどん追い込まれているように感じることがあるという。職場でのコミュニケーションもなくなり、友人とも会えず家族もいない。あげく彼とは遠距離で、その彼はけっこう楽しそうにやっているとなると、自分だけが孤独だと思いつめてしまうこともあるだろう。


「彼との関係もどうなるのか……。愛されている実感がありません」

 

 

■気持ちの上では別れたつもり


同様に遠距離恋愛をしているハルコさん(32歳)は、「すでに気持ちの上では踏ん切りをつけて別れたつもりになっている」と言う。


3歳年下の彼とつきあって2年、この半年間は遠距離恋愛になっている。最初は「距離が遠くなっても心はひとつ」だと思っていた。今年の正月は彼の地元へ行き、ゆっくり過ごす時間もあった。


「だけどそれが最後ですね。その後、彼も私も仕事が忙しくて、新年度を迎えたら旅行しようということになっていたんですが、状況が一変してしまいました。彼は週に1度の出社なんですが、私はサービス業なので今までと変わらない勤務形態。休んだり辞めた非正規の方の分も仕事が山積して、前より忙しいくらいです」


彼と連絡をとりあったとき、「ハルコがちゃんと検査しない限り会えないなあ」と無神経な言葉を投げつけられた。


「まずは心配するのが先じゃないですか? もちろん私がいつ感染してもおかしくはないけど、私の安全が立証されない限り会えないという言い方には、やはり傷つきました。こういう人だったのねとも思った。それきり、私は自分から彼に連絡していません」


彼からは連絡がくるが、あまり話は盛り上がらない。ふたりの間の恋愛の熱は完全に冷めてしまったようだ。


「はっきり別れ話はしていないけど、もうダメでしょうね。遠距離にならなければもう少し方法もあったかもしれないけど……。まあ、でも彼がそういう人だというのがわかってよかったともいえますよね」


最後は自分を納得させるようにハルコさんはきっぱりとそう言った。
 

 

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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