「ムダな人づきあいも減らせるし…」在宅勤務にすっかり慣れ、このまま生活が変わらなくてもいいと思う人も多いのでは?

人間関係

 

■出社する必要があるのか

 

2ヶ月ほど在宅勤務を続けているノリカさん(30歳)は、6月から出社する予定なのだが、「会社の上のほうの人たちにはもう一度、考え直してほしい」と言う。


「2ヶ月間、週に一度の出社でやってきたけど、それなりに仕事は進んでいます。うちは大企業ではないから、今までと違ったやり方ができるはず。オフィスももっと縮小して、その分のお金でリモートワークしやすい環境を整えるために社員に配分したら、きっと会社も仕事も変わっていくと思うんですよね」

 

部署ごと、あるいは仕事の内容によって出社日数を決めればいい。誰もかれもが週に5日、出社する理由などないとノリカさんは考えている。仕事を家ですることによって、プライベートな時間も増えたのがうれしかったそうだ。

 

「3年ほどつきあっている人が近くに住んでいるんですが、ふたりとも在宅勤務だったので会いやすかった。コロナの影響がなくてこういう勤務形態だったら、もっとふたりで出かけたりゆっくりできたりするんだとよくわかりました」

 

ふたりとも今までは、仕事が第一だった。すれ違いが生じて1ヶ月会えないこともあった。だが自粛期間には、毎日のように会っていたという。つきあって初めて、ふたりの時間をゆっくり過ごすことができたのだ。

 

「歩いて10分くらいのところに住んでいますから、今日の夕飯はどっちで食べようかという感じ。生活を楽しめましたね。人間って生活を楽しむために仕事をするんだと気持ちが変わったんです」

 

人として大事な “日常生活” を、社会人になって初めて楽しむことができたのは、ノリカさんにとって目から鱗が落ちるような発見だったのだ。

 

 

■ムダな人づきあいが減らせる

 

会社員のマリナさん(28歳)も、在宅勤務で新たな発見をした。

 

「なんといってもしょうもない会社の飲み会がなかったのが天国でした。仲のいい同僚とはオンラインで飲み会ができるから、それほどストレスもたまらなかったし。通勤時間も必要ないから、自分のペースで仕事ができる。私は朝、7時頃起きて8時から仕事をし、夕方早めに切り上げていました。それでも連絡が来てしまうことはあったけど、急ぎでなければ翌日に回していましたね」

 

彼女は今後、転職を目指しているので、それに必要な勉強もたっぷりできたという。出社しているころは、断れない飲み会や通勤自体に時間をとられ、なかなか自分の時間を確保できなかった。

 

「出社しなければできない仕事がどのくらいあるかを掘り起こしてみればいいんですよね。私の仕事でいえば、せいぜい月に数回の出社ですむんじゃないかなあ。あとは自分のペースでできれば、なかなか帰れなかった実家にも顔を出せるし、夜間の専門学校にも通ったりもできる。これを機会に働き方を本気で改革した会社が生き残れるのかもしれないとさえ思います」

 

会社に縛られず、でも会社員として仕事をしていく。そのほうがずっと人生にとってメリットが大きい。若い世代からのこうした声を、上層部がどう判断していくのか。これからの企業の生き残り戦略、そして個人の生き方が問われていくことになるのかもしれない。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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