「会わないまま恋が進んでいく…」オンラインデートに慣れたら、リアルで恋ができないかも

人間関係

 

■会わないまま恋が進んでいく


「恋しているのかな、どうなのかな。自分でもよくわからないんですが、彼に好感を抱いているのは確かです」


そう言うのは、カズヨさん(31歳)だ。在宅勤務となり、友だちともオンラインで飲み会をしていたが、だんだん飽きてきたという。


「去年の暮れに3年つきあっていた人と別れたばかりなんです。今年は新たな恋をして結婚も、と意気込んでいたのですが、こんなことになって。それで誰かと知り合ってオンラインデートができればいいなと思って」


友人たちに聞いて、オンラインデート機能が搭載されている人気のマッチングアプリに登録。早速、同世代の男性と知り合った。


「まずはビデオ通話で会話をしました。お互い、どんな人間かまったくわかってないので不思議な緊張感がありましたね。私、そもそも友だちとして接していた人がいつの間にか恋人になっているというパターンが多かったので、お見合いみたいなオンラインデートに最初はとまどいました」


それでも少しずつ、彼と話をするのが楽しみになっていった。彼も在宅ワーク、ふたりともひとり暮らしということで環境が似通っていたのだ。


「今日のランチは何にしようかと話して、お互いに同じものを作ってみたりしてけっこう楽しかった」


ふたりともワインが好きだとわかって、夜、オンラインで飲み会をすることに。彼のワインを見たら、価格は安いけどおいしいのを買っていたことがカズヨさんとしては好ましかったという。


「意外と人間性が出るんですよね、オンラインデート。彼は性的なことも言わないし、いつも紳士で、私はだんだん彼のことが好きになっていきました」

 

 

■会おうと言わない彼


ところが緊急事態宣言が解かれるとわかってからも、彼は変わらず友だちトークばかり。


「もう1ヶ月以上、ずっとオンラインでやりとりしているんですよ。私のことをどう思っているかとか、近いうちリアルでデートする気があるのかとか、気になってたまらない。でも彼は何も言わないんですよね」


数日前、ついに業を煮やしたカズヨさんは、「私たち、いつか会うことがあるのかな」と言ってみた。


すると彼は、「リアルで会ったほうがいいのかな」と答えたという。


「彼は、『ボクはカズヨさんのことがとても好きだけど、きっとオンラインだから楽しいんだと思う』って。もともとリアルで会うつもりがなかったのかと聞くと、『いや、カズヨさんのことがすごくステキだなと思うからこそ会うのが怖いんだ』と。気持ちはわからなくないけど、やっぱり好きになったら実際に目の前で顔を見て、話して触れたいじゃないですか。でも彼は、あまりリアルに価値を見いだしていないのかもしれません」


今のところは、カズヨさんもまだ在宅ワークが続くし、すぐに彼に会おうとしているわけではない。だが、「好きになったから会いたい」というシンプルな気持ちが通用しない相手なら、このままオンラインデートを続けていても意味がないような気もしている。彼の本音を聞いて、気持ちが若干、萎えてしまった面もある。


「みんながオンラインデートに慣れてしまったら、世の中からリアルなデートがなくなってしまうかもしれませんね」


現在はやがて2波が来ると言われている時期。いつか「コロナ後」になるころには、本当に会わない恋愛が当たり前になっていく可能性もなきにしもあらずだ。
 

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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