【北斗の拳】世紀末の聖者・トキの名台詞 「激流を制するのは○○」って奥が深い…

コラム

TND幽介

 

1983年より週刊少年ジャンプで連載が開始された漫画『北斗の拳』。核戦争後の荒廃した世界を舞台に、荒野を生きる男たちの激闘を描き大ヒットなった。今回は、暴力が支配する世界でも深い慈愛を貫いた男“トキ”の名言をプレイバック。

 

 

■「愛するがゆえに見守る愛もある…」

 

まずは第7巻から、トキという男の紳士ぶりがわかる名言を紹介したい。兄弟子であるトキとの再会を目指すケンシロウ・マミヤの一行は、カサンドラという町の巨大監獄にトキが囚われていることを知る。

 

激闘の末に解放されたトキは、マミヤと焚き火を囲いながら、もう一人の義兄弟である拳王ことラオウ、ケンシロウの婚約者であるユリアとの思い出を語り出す。かつてラオウはその豪胆すぎる性格ゆえ、ケンシロウが婚約者と知りつつもユリアを愛しており、彼女に自分の女になるよう強要していたが、それを止めていたのがトキだった。

 

そんな過去を思い返してトキは、この台詞を放った。そう、トキ自身もユリアを愛していたのだ。だが、彼女のケンシロウへの想いを理解していたトキは、彼女の幸せのため身を引いていたのだ。自分よりも他人の幸せを願う、トキらしい名言といえるだろう。

 

 

■「激流を制するのは静水」

 

次は第8巻より、トキの北斗神拳の使い手としての実力がわかるこの名言を推したい。北斗神拳の伝承を争った北斗四兄弟のなかでも、屈指の技巧派として名高かったトキ。そのスタイルは“柔の拳”。流れるような闘法と、相手に快感すら与えて苦しませずに葬る技術は、ラオウでさえ一目置くほどだった。

 

そんなトキがこの台詞を吐いたのは、ラオウ率いる拳王軍が、マミヤが育った村を襲撃していることを知った場面。打倒ラオウに燃えるケンシロウを時期尚早と止めようとしていたトキは、同行していたマミヤに、ケンシロウがラオウの激流のような“剛の拳”を破るには、トキが持つ静水のごとき“柔の拳”が必要だと説いたのだ。

 

実際、トキは病に侵された彼をかばいながら故郷へ急ぐマミヤの前に、拳王軍の屈強な男が立ちふさがったときに、この台詞の極意を実践。優に2mは越そうという男の猛攻を受け流し、的確な秘孔への突きで難なく完封して見せたのである。

 

 

■「あなたのすべてをめざしたと!!」

 

最後は『北斗の拳』でも屈指の名シーンと名高い、第7巻のトキvsラオウ戦でのこの名言を紹介したい。

 

不治の病に冒されているトキは、北斗神拳を治癒に使い、暴力が支配する荒野で人々を助けて回っていた。しかし、ケンシロウとの再会を機にその運命は動き出し、幼少期にラオウと交わした「もし おれが道を誤ったときはお前の手で 俺の拳を封じてくれ!!」という約束を果たすために、トキはラオウへの決戦を挑まんとする。

 

激闘は壮絶を極め、トキは劣勢に追い込まれる。優しさの残る柔の拳では叶わぬと煽る兄・ラオウに、かつて兄の無類の強さを追い求めていたトキは「いったはずだ あなたのすべてをめざしたと!!」と言い放ち、兄と同じ剛の拳で挑んだのだ。勝負はラオウに軍配があがるのだが、普段冷静なトキの魂の叫びは読者、そしてラオウの目にすら涙を呼び起こしたのだった。
 

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