【ルパン三世/父っつあん大好き!!】泥棒に仲間入りしたことも…!? 銭形警部の大事件簿3選
アニメ『ルパン三世』シリーズの名ライバルである銭形警部。ICPOにルパン専任捜査官として出向している、正義感に燃える男だ。今回はそんな銭形が主役のエピソード3つを紹介。コメディからシリアスまでさまざまな顔を見せる銭形の魅力に触れてほしい。
■「父っつあんが養子になった日」/腕が買われて大金持ちの息子に!?
宿願であるルパン逮捕を成し遂げられていないためコケにされがちな銭形だが、実は敏腕の警察官でもある。1985年9月28日に放送されたテレビシリーズ『PART 3』第49話の「父っつあんが養子になった日」では、その実力がいかんなく発揮された。
マダム・テキーラが所有するダイヤ「メヒコの黒豚」をルパンから守るため、メキシコへとやってきた銭形。しかし、銭形が警護するマダムには、ダイヤにかけた100億ドルの保険金を手に入れるという密かな目的があったのである。
空から侵入しようとすればミサイルで迎撃し、地中から攻めれば大量の放水で押し戻すなど、ルパンをよく知る銭形ならではの万全な準備を見せたこのエピソード。終盤ではその仕事ぶりを評価したマダムによって、半ば脅迫のような形で養子になることを迫られる場面も。全編コメディタッチではあるが、銭形の有能さと財団の御曹司となれる誘惑を突っ撥ねてでもルパンを追おうとする使命感の強さが表れている、必見のエピソードだ。
■「怪盗銭形」/ルパンと銭形の泥棒対決!? 切っても切れないふたりの絆
銭形は警察官の鑑と言えるほど正義感が強く、犯罪者を決して許しはしない熱い心の持ち主。ところが、2018年8月22日放送のテレビシリーズ『PART 5』第20話「怪盗銭形」ではサブタイトルにもある通り、銭形が盗みに手を染めてしまう。
ロシアの郊外を訪れたルパンたち。盗みに向かった先で鉢合わせた別の泥棒一味のなかには、あの銭形の姿があった。実は記憶喪失となっていた銭形は、自分が何者であるのかを知るために、脳裏に焼き付いていたルパンの盗みの手口を模倣して、泥棒稼業に身をやつしていたのだ。
名前や警察官としての職務を忘れてもなおルパンの存在を記憶の片隅に留めていた銭形の執念と、そんな銭形を気にかけるルパンの奇妙な友情が描かれた名エピソードと言えるだろう。
■「とっつあんの惚れた女(ひと)」/愛のために懸命な銭形を襲う悲劇
頑固者で硬派なイメージが強い銭形だが、50年近くの歴史を誇る『ルパン三世』シリーズのなかでは銭形が女性のために奮闘する姿も何度か描かれている。1979年2月5日放送のテレビシリーズ『PART 2』第69話「とっつあんの惚れた女」もそのひとつだ。
銭形のもとを訪れた大富豪ポマード・ジョーズの妻ローラ。ローラの声は各国首脳のスキャンダルを収めたポマードの金庫の鍵となっているのだが、金庫が開くと彼女の心臓に埋め込まれた爆弾が爆発してしまうという。銭形はニューヨークマフィアに狙われるローラを助けるため、ルパンに金庫の奪取を依頼する。
このエピソードでは、銭形のラブストーリーが全編にわたって展開。その入れ込みようは尋常ではなく、宿敵ルパンに土下座をするほどだ。逃避行の最中で銭形とローラは互いに惹かれていくものの、悲劇的な結末を迎えてしまう。クライマックスの爆発を背に立ち去る銭形の哀愁溢れる姿は、ぜひその目で確かめてほしい。