何で『ラピュタ』のロボット兵出てんの!?ジブリの宮崎駿監督が手がけた『ルパン三世』

コラム

citrus ダン・ブルウッド

 

 

スタジオジブリの設立に携わり、『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』など数々のアニメ映画を生み出してきた宮崎駿監督。今回は『ルパン三世 カリオストロの城』に代表される、宮崎監督が演出したアニメ『ルパン三世』の作品を紹介していこう。

 

 

■『カリオストロの城』/少女のために戦うルパンの雄姿! シリーズ随一の有名作

1977年10月から開始したテレビシリーズ『PART 2』が放送中の1979年12月15日。シリーズ2作目の劇場アニメにして、宮崎駿氏の監督デビュー作『カリオストロの城』が公開された。

 

ルパンと次元は国営カジノから大金を盗み出すことに成功したが、それらはすべて「ゴート札」という偽札だった。ゴート札を発行しているカリオストロ公国に次の狙いを定めたルパンたちは、そこで黒服に追われるウエディングドレスを着た少女、クラリスと出会う。

 

数えるとキリがないほど見所の多い作品だが、ひとつ挙げるとするならばルパンの描写にあるだろう。望まぬ結婚を強いられているクラリスを助けようと奮闘するルパンの姿はヒーロー然としていて、どこか父性を感じさせる。その最たるものが、クラリスとの別れのシーンと言えるだろう。

 

 

■『死の翼アルバトロス』/原爆を作り出す飛行艇を止めろ! 迫力満点の大空中戦

宮崎氏は“照樹務(てれこむ)”という別名義を使い、『PART 2』で2話脚本、絵コンテ、演出を担当している。1980年7月28日に放送された第145話『死の翼アルバトロス』はその最初の作品だ。

 

不二子にリゾート地へと呼び出されたルパンたちは、不二子から超小型原爆の発火プラグを託された。非合法に原爆の売買を目論むロンバッハ博士から不二子を取り戻すため、そして原爆のプラントを載せた巨大飛行艇アルバトロスの発進を阻止するため、ルパンが駆ける。

 

見所は重量感溢れるアルバトロスの描写と、ルパンたちとアルバトロスの空中戦。このエピソードでは通常のテレビアニメの倍近くものセル画枚数が使用されたということもあり、ダイナミックな映像が堪能できる。また、序盤のルパン、次元、五ェ門がすき焼き鍋をつつく場面も忘れ難い。

 

 

■『さらば愛しきルパンよ』/ルパンがロボットを使い大暴れ!? 第2シリーズ最終話

1980年10月6日放送の『さらば愛しきルパンよ』は2回目の宮崎監督演出作にして、約3年もの長きにわたって放送されていた『PART 2』のラストを飾るエピソードである。

 

ルパンたちは国防省が極秘に開発したロボット「ラムダ」と、そのパイロットの小山田マキを利用し、宝石の強奪や国防軍との戦闘に乗り出す。ラムダを操るルパンを偽者だと断定する銭形警部は独自にルパン一味を追跡し、ついにアジトを突き止めるが、捕らわれの身となってしまう。

 

このエピソードの見所は、前半部で描かれる東京・新宿を舞台にした大迫力の市街戦と、レギュラーメンバーの言動に散りばめられていた“違和感”の正体が明かされる後半のストーリー。特に後者は驚きと爽快感に溢れる展開となっているため、ぜひその目で確かめてほしい。

 

ちなみにラムダは『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵の原型となっているので、こちらも見逃せないポイントだ。

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