『GTO』鬼塚の【破天荒救出劇】例え漫画でも今のご時世だとさすがにアウトなんじゃ…(笑)
発行部数は約5000万部を誇り、アニメ化や実写ドラマ化もされた人気漫画『GTO』。
元不良の主人公・鬼塚英吉が教師を志すところから物語は始まり、さまざまな出会いを経て晴れて教師に。『GTO』は、そんなグレートティーチャー鬼塚(G.T.O)が学校で数多くのトラブルを巻き起こしつつも、クラスが抱える闇や生徒の悩みを鬼塚なりのやり方で解決していく学園ストーリーです。
そこで今回は、鬼塚の破天荒っぷりに、読んでいてスカッとするシーンをご紹介します。
■夫婦間の心の壁を壊すために、文字通り夫婦間の部屋の壁を壊す!
鬼塚が吉祥学苑に赴任する前に教育実習で訪れた学校では、水樹ななこという女子生徒が鬼塚をハメようとします。色仕掛けにまんまと引っかかってしまった鬼塚は、共謀していた他の男子生徒たちに写真を撮られたうえに散々バカにされ…。当初は水樹を信じていた鬼塚は傷つき、怒り心頭――企てに参加した男子生徒全員を鉄拳制裁に。
肝心の水樹は咎めなかった鬼塚ですが、それをいいことに依然として鬼塚につきまとう水樹。鬼塚は“あっちいけ”という態度を取りますが、またも水樹の色仕掛けに誘惑され、招かれた自宅についていってしまうのでした。鬼塚自身も「だまされるな これはワナだ!」と自分に言い聞かし、同じ過ちを繰り返すまいとするのですが、そこで実は水樹の家庭に問題があることが明らかになります。
両親の夫婦仲が悪いことに真剣に悩んでいた水樹は、その帰りに自殺未遂をはかりますが、鬼塚が阻止。普段の明るい振る舞いとは裏腹に、水樹の悩みが深刻だったことに気づいた鬼塚は、改めて水樹の自宅に訪問。険悪な夫婦仲を改善するために、両親の制止を振り払い、むりやり両親の部屋の間にある壁を破壊します。心の壁を取り除くために、物理的な壁を取っ払うという滅茶苦茶なやり方で、結果的に夫婦仲改善の一助になったのです。
■“建設中の高速道路から飛び降りる”という命を張ったショック療法!
鬼塚が赴任した吉祥学苑では、さまざまな問題児が登場して鬼塚を苦しませます。そのなかでも、高いIQを持つ神崎麗美はその知能を活かしたやり方で数々の悪戯を仕掛けていきます。しかし、その神崎もまた、家庭のなかでの問題や自分自身の出生にまつわることで悩み、傷ついていたことが、そういった行為を繰り返す背景にありました。
その感傷のあまり“死ぬことなんて怖くない”と強がる神崎。その台詞を聞いた鬼塚は荒療治に出ます。それは、おおよそ50メーターほど間が抜けた建設中の高速道路からバイクで飛び落ちるというもの……!
確実に死を覚悟したであろう神崎――ですが、高速道路の反対側にいた鬼塚の仲間が用意した網に捕まり、二人は死をまぬがれます。そして神崎は号泣し、感情をあらわに。鬼塚のその荒療治に怒りもしますが、神崎はそれをきっかけに自分の弱さと向き合うことができ、鬼塚に心を許すのでした。
■ビルの外窓清掃中にターザンで向かいのホテル内に侵入…前代未聞の救出劇!
当初は生徒全員が敵だった吉祥学苑も、徐々に鬼塚の味方が増えていきます。しかし依然敵対する雅ら三人組は、悪質な方法で鬼塚をハメようとするのです。それに気づいた神崎は、雅らに制裁を与えるべく画策。
それは雅らを騙してホテルに誘導し、「武蔵野HENTAI倶楽部」という変態オヤジ達に雅らを売りつけるというもの。神崎以外の同級生も“いくらなんでもやり過ぎでは”と焦りを見せるなか、鬼塚はとんでもない方法でそのホテルに登場します。
ビルの外窓を清掃するバイトをしていた鬼塚は、向かいのホテルで危機に直面していた雅らに気づき、飛行船から垂れたロープを使って、ターザンのようにしてホテルの窓に突っ込むという無茶苦茶な方法で侵入。しかし、そうまでして登場した鬼塚も、すぐには雅らを助けません。雅らにハメられた鬼塚は“謝らないと助けてやらない”と言い放ちます。
もちろんそれが筋なのですが、意地になってなかなか謝らない雅。対して、プレイを始めようとする変態オヤジ達。そして――最後の最後で雅は涙を流しながら謝ります。それを受けた鬼塚は、やっと素直になった雅の姿に笑みを見せ、そこにいたオヤジ全員に鉄拳制裁。自分をハメた生徒とはいえ、絶体絶命の危機は救ってみせるのでした。