【注意!ネタバレあり】『シン・エヴァンゲリオン』 シンジとアスカ、二人の結末は…

コラム

citrus 堺屋大地

 

※注意※

本コラムは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のネタバレがあります。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をすでに鑑賞済であることを前提に執筆しておりますので、未見で作品の内容を知りたくないという方は読まないでください。

 

3月8日にとうとう公開されたシリーズ完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。本コラムでは“ネタバレあり”で考察させていただきますので、未見の方はご注意ください。今回は碇シンジと式波・アスカ・ラングレーの結末について語ります!

 

 

■まさかアスカが彼とくっつくとは…

 

※注意※
ここからはネタバレが含まれます。

 

新劇場版2作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から3作目『:Q』に至るまで、一気に14年の歳月が流れていました。

 

アスカは「エヴァの呪縛」によって見た目は14歳当時のままですが、28歳の大人の女性になっています。一方、シンジはずっと初号機に取り込まれていたため、見た目だけでなく心も14歳のまま。

 

そんなアスカ、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の最終決戦に臨む前にシンジのもとに立ち寄り、かつて好き“だった”ことを素直に伝えます。

 

そして、その後のシーンでシンジもアスカに好き“だった”ことを伝えるのです。

 

そのシンジがアスカにかつての気持ちを伝えたのは、旧劇場版のラストシーンを彷彿とさせる場所。シンジが横たわるアスカの首を絞め、アスカに「気持ち悪い…」と言われたあの旧劇場版のラストを想起させる場所で、シンジは穏やかな表情で好意があったことをアスカに告白。

 

――14歳のままのシンジ、先に大人になってしまったアスカ。

 

二人とも、わだかまりなく、好き“だった”と思いを伝える……この過去形が切ない。すれ違ってしまったことで実らなかった二人のほのかな恋心……その美しき終幕がそこにありました。

 

 

さて、『:破』ではシンジと痴話げんかのようなことを繰り返し、『:Q』ではシンジに憎しみのような感情さえ向けていたアスカが、あんなに素直な気持ちを告白できたのは、大人の男に成長した相田ケンスケの存在が大きかったんでしょう。ケンスケがアスカを支えてきたからこそ、アスカは一定の精神的安定を保てていたように感じました。

 

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ではケンスケのことを、親愛を込めて「ケンケン」と呼び、彼の家の中で平然と全裸になっているアスカ。

 

二人が恋人同士なのかどうか、そのあたりは明確には示されませんでした。肉体関係があるのか、ないのかも曖昧。もしかすると肉体関係はあるものの、恋人というわけではないのかもしれません。恋愛感情を超越した愛情と信頼があるように見えました。

 

いずれにしても、ニア・サードインパクト後の荒廃した世界で、アスカの魂を救済し、心の拠り所となっていたのがケンスケだったのは間違いないでしょう。

 

余談ですが、筆者はアスカ派だったため、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』でアスカとケンスケがくっついていることがわかった瞬間、かなり動揺してしまいました。

 

例えるなら、自分はまだ好きで未練たらたらな元カノが、他の男と幸せになっている様子を目の当たりにしたような感覚。とてつもなく醜いジェラシーが沸き起こっていたのです。

 

個人的にはシンジ以外の男と結ばれるアスカの姿は見たくありませんでした……。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、アスカ派の恋心も終わらせた物語だったと言えるかもしれません。
 

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