『ガンダム 閃光のハサウェイ』ヒロイン ギギが小悪魔感あふれて物語がオトナすぎる件

コラム

citrus 堺屋大地

 

大ヒットとなった映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、アムロとシャアの最終決戦(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)の12年後が舞台。今回はヒロイン ギギ・アンダルシアの小悪魔女子的名言にフィーチャーします。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーであるハサウェイ・ノアが主人公。ハサウェイは偶然、敵対する連邦軍大佐ケネス・スレッグ、そして謎の美少女ギギ・アンダルシアと出会ってしまい――というストーリーです。

 

 

■「正直ね。そういうの好きよ」

出会ったばかりにも関わらず、ギギは少ないヒントとニュータイプ的な直観から、ハサウェイがマフティー本人(マフティーのリーダー)であることをあっさり看破。しかし、ハサウェイが冗談めかして笑顔で否定すると、ギギは一瞬で無表情になり、視線も合わせずにこう言うのです。

「正直ね。そういうの好きよ」

正体を見破られたのに、ごまかそうと嘘を吐くハサウェイ。ですが、それは彼が成そうとしている目的に対して忠実な嘘であり、そこまで見透かしたギギからすればある意味「正直」ということなのかもしれません。

とは言え、ギギが求めていたのはそんなつまらないリアクションではなかったのでしょう。ギギが淡々と冷めた口調で呟いた「好きよ」は、皮肉だったんだと思います。

 

 

■「それなら、さっきのゴチャゴチャした話を、すっきりさせてよ」

マフティーのモビルスーツ部隊がダバオを急襲。ハサウェイやギギが泊まるホテルも空爆されましたが、ハサウェイは事前に情報を入手していたため、ギギを連れて迅速にホテルからの脱出を試みます。

ホテルのエレベーター内で他の客に悟られないように、囁き合うハサウェイとギギ。ハサウェイが「君の勘に賭けたのさ」と伝えると、ギギはこう応じます。

「それなら、さっきのゴチャゴチャした話を、すっきりさせてよ」

“ゴチャゴチャした話”が何を指しているかは明言されていないため、いくつかの解釈ができます。ただ、おそらくは互いに惹かれ合っていることを感じていながら、ギギがケネスに口説かれていても、態度をはっきりさせないハサウェイへの苦言でしょう。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』という作品は、男女の心の機微が繊細に描かれた大人向けのテイストになっているため、それまでの文脈から“行間を読む”ことが求められるのです。

 

 

■「怖かったね」

マフティーのモビルスーツ部隊の急襲から逃れるため、ハサウェイとギギはホテルから飛び出し、ダバオの公園までたどり着きます。

戦火に包まれたダバオの街で半狂乱になっていたギギを、身を挺して守ってくれたのはハサウェイでした。けれど、公園でケネス大佐の姿を見つけると、ギギはハサウェイそっちのけでケネスのもとに走っていき、「大佐ぁ、怖かった、怖かったよぉ」と抱き着くのです。

連邦軍の飛空艇に救助されたギギとハサウェイ。ギギはすでにけろっとした表情になっており、飲みかけのコーヒーをハサウェイに渡し、彼の肩に自らの身体を寄せてウトウト……。その後、ニッコリと笑顔を見せて軽~くこう言ったのです。

「怖かったね」

取り乱していた自分を命懸けで守ってくれたハサウェイを置いて、ケネスに抱き着いておきながら……です。しかも半狂乱になっていたことを忘れたかのように、“ジェットコースターに乗った後”、もしくは“お化け屋敷から出た後”ぐらいのあっけらかんとした口調で、「怖かったね」と微笑むギギ。

恐るべき小悪魔ですね。

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