大谷選手はストイック "ではない" !? 活躍の原動力となった「練習」への姿勢
エンゼルスの大谷翔平選手の今季の常套句は「ケガさえしなければ」でした。『二刀流』として開幕から完璧すぎる活躍を続けてきた大谷にとって、それこそ「ケガさえしなければ」、走攻守のすべてでタイトル及び記録に関わる可能性があったからです。こんな日本人選手は今までいなかったですし、同じ日本人としてその活躍に誇りを感じない人はいないでしょう。
「ケガ」の元として一番心配されたのが、走塁でした。出塁すると、ケガ防止のために特製の手袋をはめますが、それでも塁上での交錯プレーは避けられません。もし、手指をケガしたり、ヒジや肩を負傷したら、打撃はもちろん、ピッチングにも大きく影響してしまうため、ヒヤヒヤものだったのです。それでも、本人はお構いなしで、どんどんと先の塁を狙いました。
その理由は、野球が好きで、好きでたまらないからです。打つことも、投げることも、走ることも、ワクワクして、楽しくてたまらないからです。「昨日よりも少しでも野球がうまくなりたい」という思いに駆り立てられて、ケガなど気にしないのです。
それは、「練習」に取り組む姿勢から変わりません。大谷選手を語る上で、「練習」の2文字は欠かせないと言われるほど。
ある時、「なぜ、そんなにストイックに練習するのか?」と記者に聞かれると、大谷はこう答えました。
「ストイックというのは、練習が好きではないというか、仕方なく自分に課しているイメージ。そうではなくて、僕は単純に練習が好きなんです」
大谷が練習好きになったきっかけは、花巻東高校の野球部にスピードガンがあったからといわれています。140キロと150キロとか、自分の投げる球の速さがわかるようになって、その速さがどんどん上がるのが、たまらなく嬉しくなったそうです。そうなると、どんどん練習が好きになりました。
こんなことがありました。クリスマスに練習をしていた時、「あっ、これ、いいかもしれない」というヒラメキがあって、「クリスマスだからって、練習を休まなくてよかった」と心の底から思ったといいます。それほど練習が好きな選手は、今まで見たことがありません。
練習に恋をして、試合を愛した大谷だからこそ、野球の神様に愛され、今年の活躍をプレゼントされたといえるのではないでしょうか。