90年代J-POPを語るうえで絶対に避けては通れない……“小室ファミリー”という時代

コラム

citrus 文月

 

90年代を代表する日本の音楽家を挙げるとしたら小室哲哉は外せないだろう。彼がプロデュースしたアーティストたちは“小室ファミリー”として一躍有名になった。今回は特に注目を集めた“小室ファミリー”のメンバーやグループを楽曲とともにプレイバック。

 

 

■TRF/『BOY MEETS GIRL』(1994年)

「TRF」は1993年にデビューした男女混合のダンス&ボーカルグループで、メンバーはDJ KOO、SAM、ETSU、YU-KI、CHIHARUの5人だ。80年代末期、輸入レコードの卸として始まったエイベックス・ディーディー株式会社(現・エイベックス株式会社)が立ち上げた自社レーベル「avex trax」。その邦楽アーティスト第一号であった彼らは、当初はメンバーが固定されていなかったが、上記のメンバーに落ち着いたのは1993年6月に発売されたシングル『EZ DO DANCE』からだ。

今回ピックアップした『BOY MEETS GIRL』は、1994年6月に発売された7枚目のシングル。アップテンポなディスコサウンドで、カラオケでも盛り上がりそうな曲調なのが特徴である。歌詞は少年と少女の出会いをテーマにしているのだが、同時に別れを匂わせてくる描写もあるため、聴く側に出会いの素晴らしさと切なさ、双方を感じさせてくれる名曲だ。

 

 

■globe/『DEPARTURES』(1996年)

1995年にデビューした音楽ユニット「globe」。メンバーはTETSUYA KOMURO(小室哲哉)、MARC PANTHER、KEIKOの3人であり、小室プロデュースの代表的なユニットのひとつとして、爆発的なヒットを飛ばした。なかでも、1996年3月に発売されたファーストアルバム『globe』は発売から50日ほどで400万枚以上のセールスを突破し、日本の音楽業界に衝撃を与えたのだ。

この曲『DEPARTURES』は、そんなアルバム『globe』に収録された曲のひとつ。耳に残る抒情的なピアノの旋律から始まり、KEIKOの艶のある歌声とエレクトロなリズムサウンドが印象に残る名曲である。ちなみにこの曲はアルバムに先立ち1996年1月1日にシングルとして発売されたのだが、こちらのバージョンは冒頭からサビに入っているなど細かい違いがみられるため、気になった方は聴き比べてみてほしい。

 

 

■安室奈美恵/『CAN YOU CELEBRATE?』(1997年)

「安室奈美恵」は、1992年にメジャーデビューした歌手、ダンサーである。小室は1995年10月に発売の『Body Feels EXIT』から、2001年1月に発売の『think of me/no more tears』まで安室の楽曲プロデュースを担当しており、彼女のキャリアの前期を支えたといっても過言ではない。

1997年2月に発売されたシングル『CAN YOU CELEBRATE?』は、小室が安室にプロデュースした作品のなかでも特に有名な曲のひとつで、結婚式の定番曲として広く知れ渡っているのはご存じの通り。R&B調のゆったりとしたリズムとサウンドに、安室の透き通った歌声が加わり、非常に聴きごたえのある名曲と言えるだろう。

 

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