『北斗の拳』の代名詞「ひでぶっ!!」「あべし」などの断末魔、どんなシーンで叫ばれた?
『北斗の拳』と言えば、ケンシロウやラオウなどのキャラが繰り広げるバトルで大人気となった伝説的作品。しかし、拳法の餌食となった小悪党たちの断末魔も本作を語るうえでは外せない要素だ。そこで、今回は特に印象的であった断末魔を3つご紹介。
■血を見ると発狂して殺人鬼となる “やべー奴” /「ひでぶっ!!」
まず紹介する断末魔は、コミックス第1巻に登場する南斗聖拳伝承者・シンの部下であるハートが発した「ひでぶっ!!」。
ハートは大柄で極度な肥満体型をしており、額に “K” のイニシャルとハートマークの入れ墨をしている敵キャラ。普段は温厚だが、一度血を見ると周囲の人間を殺しまくるという凶暴な一面を持つ。
作中でケンシロウは衝撃を吸収できるハートの厚い脂肪のせいで、身体の秘孔を突くことができず当初は北斗神拳を無力化された。しかし、北斗神拳の奥義である『北斗柔破斬』を放ち邪魔な脂肪を掻き分け、秘孔を露出させ突くことによってハートを撃破することに成功。その際にハートは「ひでぶっ!!」という断末魔を残し爆散したのだった。
■作中随一の断末魔はモブが発したものだった?/「あべし」
次はコミックス第3巻に登場する、作中では名前が呼ばれることがなかったモブキャラが発した「あべし」をご紹介。
設定ではジャッカルの部下であり元プロボクサーという肩書を持ってはいるが、ケンシロウに一撃で倒されてしまういわゆる “雑魚キャラ” 。ちなみにその死に様はケンシロウを「チビヤロウ」と煽り襲い掛かるも、『北斗断骨筋』という技で返り討ちに遭い、身体中を砕かれて絶命するというあっけないものであった……。「あべし」はそんな彼が死ぬ間際に残した言葉だったのだ。
このように無名のキャラクターではあるものの彼が発した「あべし」は、独特の語感が読者の心を惹きつけ、作中を代表する断末魔のひとつとして数えられるようになった。ゲームでもたびたびネタにされており、1986年8月10日に発売されたファミリーコンピュータ用ゲーム『北斗の拳』では、赤い雑魚キャラを倒すことで手に入る “あべし” という文字を集めることによって、パワーアップできるという仕様となっている。
■なりすまし野郎の哀れな最期/「うわらば」
最後は我流の北斗神拳をはじめさまざまな拳法を操り、自身を天才と称す男・アミバが発した「うわらば」。
アミバはケンシロウの義兄・トキに老人の足の治療を失敗したところを咎められ、異常なまでの執念を抱くことになり、彼に扮装し悪事を擦り付けることによって復讐を果たそうとした。また自身の秘孔研究のため、日常的に非道な人体実験を繰り返すという人畜極まりない行為も行っていたのである。
ケンシロウとはコミックス第6巻で対峙することになったアミバ。ケンシロウは当初、アミバがトキであると思っていたため戦闘に消極的であったが、レイに正体をバラされてからは怒りが爆発し、アミバを本物の北斗神拳をもって追い詰めていく。
最終的にアミバはケンシロウの『残悔積歩拳』によって高層ビルから落ち、しかも突かれた秘孔によって身体を四散させられ死亡するというむごい最期を辿った。ちなみにアミバが「うわらば」と発するシーンは、彼の身体が四散する瞬間であり少々グロテスクなのでご注意を……。