『ベルセルク』作者が急逝するも連載再開した神漫画…今、振り返りたい主人公の名言3選

コラム

citrus 文月

 

2021年に急逝した漫画家・三浦健太郎氏の代表作である『ベルセルク』。未完の大作になってしまうかと思われたが……なんと代筆で続編が描かれることに! そこで今回は、連載再開を機に改めて主人公・ガッツの名言を振り返っていきたい。

 

 

■「取りつかれてんだよ オレ悪霊に 団体さんで」/第1巻

 

まずは、第1巻に登場したベルセルクの始まりを象徴する名言をご紹介。

 

ガッツが雨の中を歩いていると、馬車を運転する僧侶に一緒に乗らないかと提案を受ける。しかし、ガッツは「取りつかれてんだよ オレ悪霊に 団体さんで」と話し、これを拒否。結局僧侶の誘いに負けて乗ることにはなるのだが、これがとんでもない災難を招くことに……。

 

その後、馬車を運転する途中、ガッツを狙う悪霊に襲われてしまい、僧侶、そしてその娘が殺されてしまうのだ。一晩中戦い続けて何とか倒したガッツだが、彼曰く悪霊に襲われたことは今に始まったことではないという。

 

このセリフは、後々の展開を考えると、ガッツの過酷な旅路を象徴する言葉になっているのだと気づく。“波乱万丈”という言葉でも言い表せないほど、壮絶な旅を予感させるセリフとなっているのだ。

 

 

■「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ」/第16巻

 

次に紹介するのは、第16巻に登場するガッツの生き様を表す名言。

 

悪霊を狩っていたガッツは、盗賊に襲われていた少女・ジルを助けることになる。その後、ジルから彼女の住む村が「霧の谷の妖精」から襲撃を受けて、甚大な被害を受けているという話を聞く。そして、その際に子どもだけがなぜか攫われていることを知り、ガッツは使途(ガッツが追う人間が転生した怪物)と悟り、霧の谷へ向かうことに。そこで、事の元凶であり、使途となったジルの親友・ロシーヌを倒すことに成功する。

 

親友が元凶であったという衝撃の事実に嫌気がさしたジルは、ガッツに「ここじゃないどこかに連れていって」と話す。しかし、ガッツは「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ」と返し、「辿り着いた先 そこにあるのは やっぱり戦場だけだ」と続ける。一見、冷たい言葉のようにも思えるが、ガッツなりの優しさとも解釈できるだろう。

 

 

■「祈れば手が塞がる‼ てめエが握ってるそれは何だ!?」/第21巻

 

最後に紹介するのは、自分の力で戦ってきたガッツだからこそ説得力がある名言だ。

 

ガッツの恋人・キャスカが囚われ、人間をゴッドハンドという高次元の存在へと進化させる、 “蝕” という儀式が行われそうになってしまったときのセリフである。

 

幾多もの魔物に囲まれて、絶体絶命になるガッツ一行。聖鉄鎖騎士団団長であるファルネーゼは、絶望のあまり主である神に祈りを捧げる。しかし、ガッツは「祈れば手が塞がる‼ てめエが握ってるそれは何だ!?」と彼女の行動を一喝。祈る手があれば、武器を手に取って戦えと諭すのであった。

 

悪霊に襲われ続けながらも、自分の力で戦ってきたガッツだからこそ、 “信じることよりも行動することが大事だ” というメッセージに深みを感じられるのだ。ガッツというキャラクターの根幹が見えるセリフと言えよう。

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