11月23日、カタールで開催中のサッカーワールドカップのグループE第1節で、日本代表が強豪ドイツを2-1で下すという歴史的勝利を果たした。そして、翌日24日に放送された朝の情報バラエティ番組『めざまし8』(フジテレビ系)には元日本代表FWの永島昭浩氏(38)が出演。前日の試合を感慨深く振り返りつつ熱弁しまくっていた──のだが……そんななか、番組開始から50分以上沈黙し続けていたのが、同番組のコメンテーターを務める社会学者の古市憲寿氏(37)であった。
とりあえずは、この日はじめて古市氏が “しゃべった” 8時53分ごろからの、おおよそのやりとりを以下に再現してみよう。
進行役の永島優美アナ:(古市氏に対し)伝わってますか? この熱!(※永島アナは永島昭浩氏の娘であり、おそらくサッカー大好き女子)
古市氏:みんなこんなに幸せそうだから、とくに僕はなにも水を差すつもりもなくて、言うこともなにも…なにも言うことないですもん(苦笑)。
(その後、永島氏に対し)古市氏:ドイツはドイツなりに戦略があったわけじゃないですか。それはハマらなかったってことなんですか?(と、一応質問)
永島氏:前半戦は(ドイツが)完璧に近かったんです。2点目が入ったら(日本の)プランが後半にこんなにうまくいかなかった。(と、解説途中、古市氏の様子を見て)全然興味ない?
古市氏:いやいや…そうなんだなって思って(苦笑)。
ちなみに、古市氏は『めざまし8』をはじめとする自身の出演・執筆メディアでは「スポーツには興味がない」という姿勢を貫き続けている。かつての東京五輪でもラグビーW杯でも……。しかし、WEBニュースメディア『NEWS VISION』によると、こうした「無関心」を装う古市氏の “態度” に、視聴者やネット上から
「水差すの本当性格悪い」
「完全に水差してるでしょ」
「空気読んで喜んでるふりくらいはすればいいのに」
「コメントできないなら休めば?」
「コメンテーターはコメントが仕事じゃないのか?」
「楽しんでいる人を白けさせるコメンテーターってどうなの?」
……ほか、批判の声が集まっている……らしい。
さて! これら一連のバッシングの論調にあるように、古市憲寿氏は本当に「性格が悪い」のか? 「コメンテーター失格」なのか?
私個人の見解を述べさせていただくなら、「スポーツに興味がない」と公言しているヒトに「伝わってますか? この熱!」と無理やり振ってくる永島アナのほうがずっと「性格が悪い」と思う。また、世界的なスポーツイベントが開催されるごとに “にわか” までが一斉に盛り上がり、しかも「興味のない層」にも容赦ない同調圧力をかけてくる風潮に抗う古市氏の「無関心」は、たとえ一言もしゃべらずとも、これはこれで立派な “コメント” だと、私は考える。大して興味も知識もないくせに、作り笑顔で凡庸なコメントしかできないコメンテーターより、全然マシではないか。
私は、原則として「やったことがあるスポーツにしか興味を抱けない人間」なので、正直「やったことがない」サッカーには、あまり興味がない。対ドイツ戦はオフサイドのケースが複数あったようだが、オフサイドの定義自体もいまだよくわからない(=真剣に理解しようとしていない)。とは言え、W杯で日本代表が出場する試合は必ず観るし、日本が勝てば普通に嬉しくもある。あと、私の友人がたまたまサッカー日本代表関係の仕事に就いているので、ドイツに勝利した直後、円陣のなかでの彼の感無量な表情をテレビで確認したときは、感動もした。が、次の日まではその歓喜の感情を引きずりもしない。たぶん、個人的な友人が “出場” していなければ、サッカーW杯に対する私の熱量も、もっと低かったことだろう。
以上、このような私レベルの関心度しかサッカーに抱かない(案外多いはずの)人々にとって、古市氏の “パフォーマンス” は、一筋の光明となっているのではなかろうか。もちろんのこと、まもなく開催されるWBCで古市氏が、私が大好きな「野球」に関して同様の「無関心」を貫いても、文句は一切ない。
※後日談:11月27日、カタールで開催中のサッカーワールドカップのグループE第1節で、日本代表がコスタリカに0-1で惜敗。その翌日の『めざまし8』で、日本代表のユニフォームを着用し、酒で顔を真っ赤にした大学生のアンちゃんらが、街頭インタビューで「交代が遅かった」だの「誰々が全然仕事していなかった」だの……と、手のひら返し状態でブー垂れていた。岸田文雄総理大臣のツイートみたく「奮闘を讃えたい。まだ次があります。スペイン戦での勝利を期待しています! がんばれ日本」的なエールだけでいいんじゃないの? ……と、ボクは思いました。ダメですか? ? ?