そもそも「ヒモ男」は “絶対悪” なのか? その特徴について言及した記事を読んだ感想を述べてみた

 

 「恋を学んで、強くなる!」をコンセプトとする女性向け恋愛系WEBメディア『KOIGAKU(恋学)』が、「こんな男に要注意! ヒモ男になりそうな男性の特徴と見極めるポイント」なるタイトルの記事を配信していた。冒頭には、

 

ヒモ男とは、簡単に言うと女性にお金を貢がせる男です。女性からすれば「ヒモ男がタイプ」なんて人はいないはずですし、男性は何もしてくれないのに自分が貢ぐなんてもってのほかでしょう。

 

 
……と、「ヒモ男」を全否定する攻撃的な文言が。ちなみに「ヒモ男」の「紐(ひも)」は、古くから男女関係における象徴的な表現として使われており、女性に恋人や夫がいることを「ヒモ付き」と言うことから、「女性に働かせ貢がせる男性」を「ヒモ(男)」と呼ぶようになった……というのが、語源としてはもっとも有力であるらしい。とりあえずは、その「特徴」と「見極めるポイント」ってヤツを見てみよう。

 

  【ヒモ男になりそうな男性の特徴】

・働いていない

・自分に(分不相応な?)自信を持っている

 

【付き合う前にヒモ男を見極めるポイント】

・口ばかりで行動に移さない

・甘えて誤魔化そうとする

 


まず、「働いていない」って……「そのまんまやん!」と思った(笑)。あと、「口ばかりで行動に移さない男性」や「甘えて誤魔化そうとする男性」なんて……「ヒモ男の資質として挙げる以前に最低やん!」とも思った。先日、私はこのcitrusで、やはり『KOIGAKU』が配信していた『年の差婚でもうまくいくカップルの共通点8つ! 年の差婚の魅力も解説』なるタイトルの記事を大絶賛したばかりであるが、どうやらここのサイトは記事ごとのクオリティに相当なムラがあるようだ。

 


そもそも「ヒモ男」ってえのは、本当に「付き合ったらアウト」な男性なのか? “絶対悪” なのか……?

 

 
10年ほど前……「プロのヒモ男」として当時メディアにもしばしば登場していた某男性に、私は一度取材したことがある。その彼は「プロフェッショナル」の条件として、

 

 
・極力存在感を消すようにする

・相手の仕事・外出時の送り迎えは欠かさない

・家事はできるかぎり自分が担当する

・相手の愚痴はとことんまで聞き、一切反論はしない

・相手の性的要求はすべて受け入れる

・相手の経済事情を考慮して無理な出資(?)は望まない

・相手が「別れ」を切り出したら、潔く去る

 


……などを挙げていた……記憶がある。たとえば「日々仕事をバリバリこなし、彼氏を見つけるヒマもない」みたいな、一部の女性からすれば、こうまで徹底したプロ意識を持つ「ヒモ男」は案外ありがたい存在なのではなかろうか?

 


ましてや「男女平等」が強く叫ばれている時代である。「女性は何もしてくれないのに自分が貢ぐなんてもってのほかでしょう」といった考えを持つ男性が出てきてもおかしくはないし、「さっしー」こと指原莉乃のように

 

 
「お金は自分が稼ぐから! 仕事はしなくていいので、ずっと家にいてくれる男がいい」

 


……と「ヒモ男の肯定」を公言する女性も、確実に増えつつある。「主夫」というワードが社会的に認知されはじめてきた昨今、「稼ぎのない男性」を「ヒモ男」の一言で括り、頭ごなしに拒絶するのではなく、家事はすべてこなしてくれる「いいヒモ男」と、なにもせず毎日パチンコ屋で開店前から並んでいる「ダメなヒモ男」に分類する発想も、これからは必要なのかもしれない。