「マッチングアプリ専門家」といった肩書きをもつ「おとうふ」というヒトが、『女子SPA!』に『恋人を “身長170㎝以上” で探す必要がある?「普通の人でいい」と言う人たちのカン違い』なるタイトルのコラムを寄稿なされてた。おとうふ氏曰く、
一つ一つの条件をとってみればそこまで高望みではないのですが、身長・年収・学歴・外見的特徴や趣味、デートの立ち振る舞いに至るまで、「こういう人がいい」という強いこだわりをたくさん持っている方が多いです。高望みというよりも、相手に多くを望みすぎている──「多望み(おおのぞみ)」という表現のほうが近いかもしれません。
(↑のような人が)厄介なのは、本人としては「普通を望んでいるだけなのに…」と感じているため、(結果としての)高望みの自覚を持ちにくいこと。そのため多望みの人は理想の人と出会いにくく、婚活が難航しやすくなるのです。
……とのこと。さらに、おとうふ氏はこう続ける。
意外かもしれませんが、「とにかくイケメンがいい!」「とにかくお金持ちがいい!」など、一点集中型の人のほうが婚活もスムーズに行きやすいです。それは、多くの女性が「バランスのいい男性」を求めるから。(中略)だから、一点集中型の人が狙う男性はライバルが少なくうまくいきやすいのです。
物件探しで例えるなら、「とにかく駅近の物件がいい!」とか「とにかく新築の物件がいい!」みたいな人はすぐに部屋が見つかりそうではないでしょうか。「駅から徒歩5分以内で築2年以内で鉄筋コンクリートでガスコンロが3口ついてて床下暖房がついてて家賃は相場の半額ぐらいで~(以下略)みたいな人は、気に入る物件が見つかるまで時間がかかりそうですよね」
以上、たしかに
「ほしいのに彼氏(やカノジョ)ができない」
……と嘆く、多くの男女を公民館のレンタル会議室あたりにまとめて集め、このまんま説法したくなるような、珠玉のアドバイスではないか。
私の拙著『モテと非モテの脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)で、共著者である脳神経外科医の菅原道仁氏も、こんなことを述べている。
(出会いの機会を増やすためには、いっそ)「ハードル」という概念自体を払拭してみるのも一つの手段です。
「あなたにとって絶対に譲れない部分」を死守すべきなのは当たり前。「親を大事にしない」「女性を平気で殴る」「人のお金を盗む」……とかですね。だけど、年収とか顔の良し悪しとか身長がどうのこうのは、正直どうだっていいじゃないですか。
「絶対に譲れない部分」を増やしすぎるのはいただけません。最低でも3つ、できれば2つにとどめておくべきです。「両親を大事にする・暴力を振るわない・ギャンブルをしない、以上!」みたいに……。
一度、改めて「5つある譲れない部分を3つに、3つを2つに削ってみる」といった作業をやってみてはいかがでしょう?
そうすることによって「あなたの理想」も、おのずとシェイプアップされていきますから。
多少のニュアンスこそ異なっているものの、
「のんべんだらりと中途半端な “条件” を羅列(=多望み)しても、それらが加算されたら “超” のつく “高望み” となってしまい、ロクなことはありませんよ~」
……的な根っこの部分は一緒。少なくとも私は
「とにかくお金持ち! そこさえクリアしてたらブサイクだろうが、趣味が(犯罪的なモノじゃないかぎり)なんだろうが、性格が捻じ曲がっていようが全然OK!」
……なんて風にスパッと断言できる女性のほうが、見ててもその開き直りが気持ちいいし、仮に容姿がタイプでも、お金持ちじゃない私はキッパリ彼女のことを諦めることもできる。
そしてモチロンのこと、おとうふ氏のご指摘同様……私の経験則からも、そういう女性のほうが、案外それなりにお金持ちのパートナーを、ちゃっかりゲットしちゃっているのだ。