とある20代女性が自身のYouTube動画で配信した
「女性はデートのために準備して洋服、メイク、美容代……などに、それなりの投資をしているのだから、せめてデート代は男性側が払ってほしい」
……といった持論を皮切りに、昨今インターネット上をにぎわせている「デート代は男が奢る・奢らない」問題に決着をつける、(少なくとも)私の胸の内ではストンと落ちた、完璧なロジックを発見した。
その「完璧なロジック」を、我々迷える子羊たちに授けてくださったのはYouTuberのてんちむさん(29)であった。とりあえずは、彼女が自身のYouTubeチャンネルで奉じた素晴らしい詔(みことのり)を拝聴(拝見? 拝読?)させていただこう!
「男の人に奢ってもらうこともあれば、普通に自分が奢ることもあって。そこに関してはマジで気にしてなくて。20万とか30万なら話は変わってくるけど、自分の感覚でいえば、数万円くらいお金持ってるほうが払えばよくねって思う」
「せっかくのご飯っていう楽しい時間があって。そこで(会計のため)最後にモヤモヤするのってイヤじゃん?」
「終わり良ければ、すべて良し……みたいな」
まったくもってそのとおりだと思う。「20万とか30万なら話は変わってくる」「数万円くらい~」……という金銭感覚も(たぶん)そこまで世間一般とズレていない気がするし……。まさに一言一句違(たが)いなく、私がず~っと主張したかったことを代弁してくださった様相である。
「代弁」とか偉そうなこと言ってるけど、「ホントにアンタはず~っと(前から)主張したかったのか?」なんてツッコミはしないでほしい。前出一連の発言を私のようなアラカン男子がしても、「なに言ってんだ、このおっさん!?」ってことになりかねない。20代の女性が口にしてくれたことに大きな意味がある。
ただ、現金払いしかできないお店だと「今、財布の中にいくら入っている?」と、比較的おたがいに「どっちが(現金を)多く持ってるほうなのか?」の確認は取りやすいけど、これが仮に「クレジットカード可」とかの店なら、話は多少ややこしくなってくる。「どっちが(収入が)多いほうなのか?」は、会話の端々やチョイスされたお店のランクやそこでの立ち振る舞いやファッションや、たまたまチラ見した財布の中に差し込まれているクレジットカードの金だとかプラチナだとか黒だとかの色……からしか判別できないからだ。
だから、私は55歳を過ぎたころから……逆に、できるだけ早く “等身大の自分” を相手に正確なかたちで伝えることができるよう、「会話」も「チョイスするお店」も「ファッション」も、なるべく “見栄を張らない” ように努めてきた。こんなゴメスがダメなら、とっとと見切りをつけてくれたほうがコッチも助かりますよ……と。
こうしたうえで、私のほうが「たくさんお金を持ってそう」なら私が奢る。女性のほうが「たくさんお金を持ってそう」で、しかもその相手が割り勘を、もしくは「私が奢ります」と提案してきたら……躊躇なくいくらか、ないしは全額を払ってもらう。たとえ相手が「20代の女性」であっても、だ。
大切なのは「デート代は◯◯すべき」と決めつけないこと──培っていくべきなのは、そんな頑なな “価値観” ではなく、その都度その都度の臨機応変をよりスムーズにする観察力なのではなかろうか。
……ってなわけで、「デート代は男が奢る・奢らない」問題は、今日でおしまい! てんちむさん、ありがとうございます!!