大谷選手のファンサービスに感動! 少年期の選手との触れ合いは、その人の人生を大きく左右する!?

 

3月8日、野球の世界一を決める『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』が開幕を迎えた。

 

3月6日に行われた壮行試合5戦目(日本代表×阪神タイガース/京セラドーム)では、左膝をついたりバットを折られたりしながらも2本のホームラン! 侍JAPANの初戦・中国戦では「3番・投手」の「リアル二刀流」でスタメン出場。投げては4回1安打5奪三振、打っては6打席2安打2打点2四球……と、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(28)が(3月10日の午前中時点で)まさに “期待通り” の活躍を果たしている。

 

視聴率もなかなかに好調なようで、TBS系で生中継された『第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本vs中国』は、午後8時9分から171分間の世帯視聴率で41.9%という驚異的な数字をいきなり弾き出した(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。

 

いつにも増してのこのWBCフィーバーは、やはり大谷選手の存在によるものが大きいのではないか……と言わざるを得ない。だって、私の周囲にいる「フライとゴロの違いもわからない」レベルの女子たちも、「大谷クンは見た~い!」って大騒ぎしてましたからね。 “今回” にかぎっては、本来野球に1ミリも興味を示さない女子にも「一緒にウチでWBC(=大谷クン?)観ない?」みたいな口説き文句が通用してしまうのではなかろーか(笑)。

 

さて。そんな国民的スーパースターの大谷選手が、6日の壮行試合(タイガース戦)で、また微笑ましいファンサービスの一幕を見せてくれた。試合開始約20分前、一人グラウンドにユニホーム姿で登場し、三塁線から中堅方向に向かってダッシュを繰り返している途中、不意にせり出した三塁側観客席に歩み寄り、ファンが差し出すボールや(応援)ユニホームにサインをしたのだ。

 

いや~~~! これって、マジうれしかったでしょうな。「二刀流」なんて、下手すりゃもう二度と球界には現れない可能性も高い、とんでもない離れ業の持ち主を間近で目に焼き付けることができただけでもほとんど “奇跡” なのに、 “ナマ大谷” が、たった数十センチの距離に!?

 

もし、ここに子どもがいたならば、おそらく彼ら彼女らは一生野球を愛する野球男子・野球女子となり、どんなかたちであれ今後の野球人気を盛り立ててくれるに違いない。それくらい、少年少女時代に得た貴重な “原体験” は、一人の人間の人生を変えてしまうものなのだ。

 

かくなる私も、ある一人のプロ野球選手にやや人生を変えられたクチの人間だったりする。あれはたしか、小学3~4年生のころだった。まだ大阪の公立小学校に通う平凡な学童だったゴメス少年(※当時は「ゴメス」ではなかったのだが?)が阪急西宮球場(※現在の大型複合商業施設『阪急西宮ガーデンズ』)に「南海ホークス×阪急ブレーブス」戦を観に行ったときのこと。試合後に選手の出待ちをしていると……選手用出入口から今でも解説者として活躍するE選手が登場。群がる幾人かのファンに混じって、私も「サインしてください!」と駆け寄っていく。ところが! そのE選手は後方から近づくゴメス少年を「ワシゃ疲れとんじゃ!」と(軽く)後ろ蹴りしたのである。

 

尻餅をついたまま、しばらくのあいだ固まったまんまのゴメス少年に植えつけられた “トラウマ” は半端ではなかった。その後、私はしばらくパリーグの試合を一切観なくなり、阪神ファンへと鞍替え──当時はほぼ100%の男児が加入していた「少年野球」のチームにも所属せず、その “トラウマ” がようやく消えかかった40歳のころに草野球チームを結成した。仮に、この「E選手後ろ蹴り事件」がなければ、私は小中高と野球部に入り、 “経験者” として約20年間続けている草野球でも、もっと活躍できていた……かもしれない。

 

さすがにこのご時世、ファンに後ろ蹴りするようなプロアスリートはいないだろうけど(笑)、野球人気が翳(かげ)りを帯びつつある昨今──少年少女に “トラウマ” ではなく、「野球が好き」になる “原体験” を与えてくれる選手の新たな出現と、その素晴らしい振る舞いを、「生涯一野球人」である私は心より望んでいる。


※なお、前出の「E選手」とは “事件” の約40年後、たまたま取材で会う機会があった。そのとき「じつは子どものころ、Eさんに後ろ蹴りされたんですよ~」と明かしたところ、「ホンマ? ホンマに!? あのころはオレも若かったからなぁ……ホンマやったらホンマ謝りますわ!」と頭まで下げてくださった。じつは気さくでとてもいいヒトなのでした!