昨今、歌舞伎町界隈のホスト業界で、
「手作り料理を差し入れしてくる女性客はアリかナシか?」
……が、にわか論争になっている──そんなことを『NEWSポストセブン』が報じていた。
同記事の筆者であるノンフィクションライターの宇都宮直子氏が取材した某カリスマホストは、何度もため息をつきながら、こう困惑しているという。
「『差し入れだよ』って店に手料理を持ち込んで来る姫に困っていて……」
「もちろん、お金を払ってお店に来てくれているうえでの行為ですし、決して安くはない持ち込み料も払ってもらっているけれど、正直手料理って、怖いですよね(苦笑)。衛生的な問題もあるし、何が入っているかわからない。だけど、テーブルでタッパーを広げられたら食べない訳にはいかない。これ、けっこう深刻な問題なんです」
ちなみに、水商売の世界では「手作りの差し入れは(妙な物が中に仕込まれている可能性もなくはないため)危険だから手をつけてはいけない」という “暗黙のルール” があるらしい。
いっぽうで、やはり宇都宮氏の取材に応じた「差し入れする側」の女性(43)の言いぶんは、以下のようなものであった。
「だって、料理上手な奥さんや彼女って、会社や友達グループの中でも自慢の存在じゃないですか」
(中略)「『胃袋を掴む』って言葉がありますが、自分の作ったものを『美味しい』『また食べたい』と言われることは、お店でお金をジャンジャン使って彼のナンバーをあげることとはまた違った快感があると思います」
さて。私は1ヶ月ほど前、ここcitrusに「他人が握ったおにぎりは食べられるか? 食べられないか?」についてを論じたコラムを寄稿したのだが、そこではたしか
「不潔か清潔か……の問題ではなく、それぞれの家庭料理から生じる、冷めてしまった謎の汁っけが苦手なので、母・妻・カノジョ・プロ以外の他人が握ったおにぎりは、わりとNG?」
……みたいな(あくまでゴメス個人の) “線引き” を提示した。
では、「ホスト業界」という特殊な限定枠をはずしたうえで、
「母・恋人・妻(もしくは夫)以外の人が差し入れてくださった手作り料理はアリか? ナシか?」
結論から申すと……私の本音としては「ややナシ」だったりする。もちろん、私はホストではないので「妙な物が中に仕込まれている可能性もなくはないため危険」なんて心配はしていないし、手作りしてくれた人の気持ちはとてもうれしいので、よほど嫌いな食材(※納豆やらキュウリやらエビカニやら?)が入っていないかぎり、残さず全部食べる。ただ、それは……願わくば、なるべく調理手順がシンプルであればあるほど……さらには、できれば火が通っているメニューのほうがありがたい。唐揚げとか(焼き)ウインナーとか茹で卵……とか?
苦手なのは、ちらし寿司や「キャラ弁」的なヤツ? 混ぜたり飾ったり……と、料理に “他人” の手が加えられた痕跡が見えれば見えるほど、逆に食欲が萎えてくる。そして、当たり前の話、こういった(素人の)手作り料理に対する「アリorナシ」の基準は人それぞれ(※私よりもっとデリケートば人もいれば無頓着な人もいるだろう)なので、手作り料理を差し入れする場合は、
「今度、あなたの料理を食べさせてください!」
……と、明確に口頭で懇願されてから……のほうが無難なのではなかろうか。