女子アナの結婚報告の “落としどころ” について考察する

 

「大人の女性に向けて、面白くて役に立つ情報をお届けすること」をコンセプトとするWEBメディア『コクハク』によると、会社員の一般男性との結婚と第一子妊娠を発表したフリーアナウンサーの新井恵理那さん(33)が4月19日、自身のインスタグラムを更新。「心無い文章には耐える体力がいまのわたしには心身ともになく」とし、コメント欄を閉鎖したことを報告した……らしい。

 

事の発端は、4月17日に放送された、新井アナがMCを務める『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)で行われた、新井アナによる「結婚と妊娠」の生報告であったという。共演者から祝福され、本人登場後の冒頭では2分ほどの挨拶を。さらには、エンタメコーナーにおいても、各出演者から祝福コメントを延々紹介したり……と、盛大な演出を展開。

 

ところが、これら一連の過剰なフィーチャリングっぷりに、SNS上では

 

「最初はおめでとうって気持ちで見てたけど、しつこくてチャンネル変えたわ」

 

「果たして長時間やることかと思う」

 

……ほか、不満の声が複数寄せられた……とのこと。

 

女子アナの結婚報告といえば、俳優の中村倫也さん(36)と結婚した日本テレビの水卜麻美アナ(36)も3月27日に、自身がMCを務める『ZIP!』で生報告したあと、新郎の中村さん本人までがサプライズ登場し、その夫婦のやりとりを相当な時間を割いて放送。やはり、新井アナと似たような批判が一部、SNS上でささやかれていた……のだそう。

 

「公共の電波を私物化するな!」

 

「アナウンサーは会社員なんだから、芸能人みたいに大々的な結婚報告をするのはおかしい」

 

……などと “正論” を盾にして批判したくなる心情も、たしかにわからなくはない。だがいっぽうで、たとえば新井アナは「フリーランス」ゆえ「タレント」とも解釈できるわけだし、(日テレの会社員である)水卜アナのケースは相手がたまたま「俳優」だったがゆえ、 “結婚” が一つの “芸能トピックス” として捉えることだってできなくもない。そもそも局アナであっても、(とくに)女子アナは実質的には「半分タレント」のような立場であるからして、最低限の「結婚の報告」はあって然るべき……なのかもしれないし、番組のメインMCを務めている以上、まさに “一局だけが扱える独占スクープ” なのだから、そのネタをついつい引っ張りたくもなるだろう。

 

私の主観としては、今回の新井アナや水卜アナだけにかぎらず「一度も会ったことすらないヒトの結婚・離婚」にはまったく興味がないので、なにかの番組でその手の報告や特集が組まれているのを観たら、即行でチャンネルを変えてしまうが(笑)、こういう “おめでた話” が好きな層も少なからず、実在するに違いない。だから、躍起になって批判することもないのでは?──先にも申したとおり、その局だけができる “独占スクープ” なのだから自由にやればいいし……局側の方針で組まれた「結婚報告」なのに、その批判を “本人” にぶつけるのはちょっと可哀想すぎる……と思う。それこそ日本を揺るがす大事件でも起こらないかぎりは……だが?


ちなみに、ゴメス個人として、ここ最近でもっとも好感度の高かったのは、今年3月末に『Mr.サンデー』(フジテレビ系)を降板し、同局を退社した元アナウンサーの三田友梨佳さん(35)の “挨拶” だ。

 

「まずは番組の貴重なお時間、私のことで割いてくださってすみません。ありがとうございます」

 

「(入社後)の12年間はなにより仕事を優先し走り続けてきましたので、これからは家族の時間をより大切にしながら、自分のペースでキャリアを築いていけたらいいなと思います。これまで本当にありがとうございました」

 

振り返りのVTRを合わせても全部で3分程度。これぞ「女子局アナ=半分タレント」といった “矛盾” をも呑み込んだ、完璧なバランスの「プライベート報告」なのではなかろうか?