「デキる男」になるためのマニュアルめいた “指南書” は、書店に行ってもインターネットで検索しても、屑のようなモノからなかなかに精度の高いモノまで……わんさかと溢れかえっている。
つい先日も、毎度のごとくYahoo !ニュースを左指でスクロールしていると……『ココに差が出る!「できる男」の休日や隙間時間の活用法5つ』なるタイトルの記事が目に留まった。「恋を学んで強くなる」をコンセプトとする女性向け恋愛WEBメディア『恋学(KOIGAKU)』が配信する自己啓発系の記事で、そこにはこんなことが書いてあった。
【できる男の休日の過ごし方は?】
(1)読書
(2)運動
(3)社交場に赴く
(4)趣味
(5)料理
【できる男は平日の隙間時間に何をしている?】
(1)電話やメールチェック
(2)ニュースチェック
(3)勉強
(4)資料をまとめる
【できる男になる方法】
(1)ダラダラしない
(2)勉強資料を持ち歩く
(3)ニュースアプリをダウンロードする
(4)常に前向きに取り組む
(5)周囲を思いやる
ネット記事にしては “チェック事項” も多めで、それなりに “気づき” を促す項目もなくはない。まあ、大雑把には「なかなかに精度の高いモノ」にカテゴライズできる、良質な部類の記事だと言えよう。
ちなみに、私は「休日」どころか平日も「野球(=運動)」ばっかやってるし、「料理」はもはや “日課” として通常のスケジュールに組み込まれている。ここcitrusに寄稿するコラムのネタ探しのため、スキあらばあらゆる媒体でニュースもチェックしているし、仕事は基本ノマドスタイルなので、バッグはいつも「勉強資料」でパンパンだ。
しかし、こうやって『KOIGAKU』さんが提唱する「できる男認定テスト(?)」で “答え合わせ” をしているうちに、
「そもそもデキる男とは、どんな男のことを指すのだろう?」
……という、根本的な疑問へと行き着いた。同記事の冒頭には、
「仕事もプライベートも全てが充実している男=できる男」
……と記されていた。けれど、「公私ともども充実している」という「できる男」の設定は…… “ゴール” としては、いささか曖昧すぎる。たとえば、「仕事で最高のパフォーマンスを発揮するため、休日はほとんど寝ている」ような男はダメなのか? だったら、平均睡眠時間10時間以上で、ニューヨーク遠征時でも「社交場に赴く」どころか、外出すらしたことがない……と言われている大谷翔平選手は「デキない男」ってことになるのか??
大切なのは「仕事もプライベートも充実させること」自体ではなく、むしろ「させた」うえでの “その後” を明確化することなのではなかろうか。
少なくとも私にははっきりとしたイメージがある。私にとっての「デキる男」とはズバリ!「モテる男」──コイツに尽きる。
モテさえすれば貧乏であっても無知であっても仕事がデキなくても全然かまわない。ただ、「お金持ちで博識で仕事がデキる男」のほうがモテる確率はやや高くなるので、それら全部を兼ね備えている風の男を、私は “演じたい” だけなのである。