ネット版のデイリースポーツによると、実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏(47)が10月4日、ツイッターを更新し、新幹線の駅構内で「大阪のおばちゃん」に盗撮され、注意したところ、同行している男性からもキレられ「モラルないんかなこの人ら」と激怒。だが、このつぶやきに「本当に大阪ですか?」などとインネンをつけるコメントが相次いだことに、再び激怒した……らしい。もう少々詳細をつけ加えておこう。
堀江氏が「新幹線品川駅で大阪のおばちゃんに盗撮されたので注意したら、なんで撮っちゃダメなんだ的な顔をされたので強い口調で注意したら半ギレ気味に謝ってきたので反省してないなと注意したら連れのおっさんまでキレてもう大変」と状況を説明。「モラルないんかなこの人ら」と愚痴った。
続くツイートでも「しかも捨て台詞が『ファンじゃないのに撮ってしまいました』とか、大声で『ごめんなさーい』と騒ぎ出してマジキチ。全く反省していない」と怒りをにじませた。
すると「本当に大阪ですか?もしかしたら京都か奈良か滋賀か兵庫かもしれないと思うのですが」「関西弁を喋ってたから大阪かな?というのは偏見だと思いますよ」…など、「大阪のおばちゃん」と断定したことを疑問視するコメントが寄せられた。
この指摘に堀江氏は怒り再燃。「京都か奈良か…」と意見した投稿をリツイートし「おまえさ、そこ気にするところじゃねーだろ。一般的な大阪のおばちゃんをdisってるんじゃないことくらい分かれよボケ」とツイートとした。
さて。賢明なるcitrus読者の皆さまは、この一連のやりとりを読んで、どのようにお感じになったことだろう?
まず、盗撮を注意されて逆ギレした「大阪のおばちゃん」(と、同行していたおじちゃん)は論外! 堀江氏が激怒してもしょうがないクラスの無礼かつ非常識な行為であることに間違いはない。いくら被写体がメディアに顔を晒している半公人的立場とはいえ、移動ほかのプライベートタイムに許可なく撮影するのはヒトとしてルール違反。「ああ…オレも(アタシも)有名になったもんだ」と呑気に喜んでもらえるケースなんぞ、ほぼ100%あるはずもない。
真摯に注意を促しているぶん、内心で「うぜえなぁ…」と苦々しさを噛みしめながらシカトをキメ込む輩より、堀江氏のほうが誠実な姿勢でそのおばちゃん(&おじちゃん)と向き合っている……との見方もできなくはない。
注意されたあとの「ファンじゃないのに撮ってしまいました。ごめんなさーい」なんてキレ方もじつに陰湿極まりない。同じ事をされ、(注意したうえに)同じ事を言われたら、大した著名人でもない私だってたぶんキレる。松っちゃんや浜ちゃんやガッキーだってキレるだろう。嵐の誰々だったら盗撮がバレた時点でマネージャーが血相変えて飛んでくるだろう。
堀江氏が、とくに「一般的な大阪のおばちゃんをdisっているわけではない」のも、普通の読解力をもって文脈を読み解けば、すぐわかる。「そこは気にするとこじゃない」と私も思う。
でも、「そこ」を蒸し返してしまうのが、なにかとツッコミを入れないと気が済まない関西人の習性である。さらに、大阪と京都と神戸(※兵庫ではない)に、奈良や滋賀や和歌山とかが加わっての近親憎悪関係も考慮すれば、こんなにも恥さらしな人間の“血”を特定することは、関西人にとって、プライドにかかわる重要な問題なのだ。だから、いくら「大阪のおばちゃん」が「関西弁でまくし立てるヒト」の代名詞になっているとはいえ、
「新幹線品川駅で大阪のおばちゃんに盗撮されたので注意したら〜」
のくだりは
「新幹線品川駅で関西弁のおばちゃんに盗撮されたので注意したら〜」
……とするのが、いらんトラブルを回避するには正解だったのかもしれない。ただ、いらんトラブルをあえて抱えて、自己プロデュースを確固たるものにまで押し上げてきたのがホリエモンスタイルであるゆえ、結局のところは「大阪のおばちゃん」的な“いっちょかみ”な面々による炎上も、堀江氏からすれば「想定の範囲内」でしかなかったのかもしれない。ちなみに、私は生粋の大阪人ではあるのだけれど、関西人のこういうウエットな感じが、あまり好きじゃない。