「先行きが見えず不安…」そんな方へ50代からの自分を生かす副業術──ポイントは "セルフキャッチコピーの捻出" にアリ?

 

新型コロナショックによる外出自粛要請が続くなか、自宅でネットを眺める時間が長くなると、普段はスルーしてしまいがちな書籍のタイトルにも、つい目が止まってしまったりする。一つにはこういうのがあった。

 

『一生食いっぱぐれない50代から自分を生かす頭のいい副業術』(青春新書/920円・税別)

 

オビには、

 

抜きんでた特技も実績もデジタルのノウハウも必要なし!

自分のなんてことない経験・キャリアが毎月5万円!ひとの役にも立てる!

 

……なるコピーがおどっている。私みたいなどこまでが本業でどこからが副業なのか、よくわからないような職に就く人間(笑)からすれば、正直「今さら?」な感も否めなくはない。が、このコロナ収束の先行きが見えない切実な状況において、 “仕事に対する不安” が雲霧のごとく漫然と私のマインドにも影を落としつつあるのだろう。「50代」というピンポイントかつ(満58歳の)ゴメス的にはドンピシャなターゲット設定と、「毎月5万円」というリアリティのある額面に惹かれ、気がつけばふとAmazonでポチっていた……。

 

著者は中山マコトさんという人で、「フリーランスの成功実現アドバイザー兼コピープロデューサー」との肩書きを持ち、言葉のチカラを駆使したライティングサポート、集客サポート、販売力増強サポート……などを次々手掛けているという。

 

「平凡、普通だからこそ可能性が高まる」
 
「『他人』が創ったインフラに頼らず、自らの特徴を生かした副業で成功する」

 

……をスローガンとし、多くの具体例を示しながら「50代からの副業術」を提案する内容になっている。

 

とくに、私が「なるほどなぁ…」と得心したのが、「自分の売れるモノを見つけ出すノウハウ」といったくだり。「昔取った杵柄がある(と思っている)人」のための「プロセス分離法」と、「杵柄を持っていないと思っている人」のための「コード分類法」の2つが紹介されており、早い話が「あらためて自分の過去を洗い直すことによって、自分をより高く売るためのセルフキャッチコピー考える」作業である。

 

まずは「プロセス分類法」から。やるべきことは次の3つ。

 

STEP1:自分が過去に経験したことのプロセス(=手順)を書き出す
 
STEP2:プロセス(=手順)の中から、得意な部分を選び出す
 
STEP3:選び出した部分をつなげる

 

とりあえずは、ここcitrusで4月29日にアップした私のコラム『アントニオ猪木のツイート「出る杭は打たれる 出るパチンコ屋は閉めさせられる」を「面白いor面白くない」の観点のみから考察する』のライティングからシミュレーションしてみよう。
 


STEP1
[プロセスの書き出し]
ネット上で、面白いもしくは面白く膨らませることができそうなネタを探し、アントニオ猪木(が最近アップしたキャッチーなツイート)を抽出する→過去の猪木語録を自分の記憶やネット上からいくつかピックアップする→それ(だけ)をネタに最長1時間半パソコンに向かって執筆→最後の5分で必ず強引なオチをつける→約2時間寝かし、見直してから入稿

 

STEP2
[得意な部分の選択]
・  ネット上で、面白いもしくは面白く膨らませることができそうなネタを探し、アントニオ猪木を抽出
 ・最後の5分で必ず強引なオチをつける

 

STEP3
[選択部分をつなげる]
毎日更新も可能であるニッチなネットニュースコラムニスト

 

つまり、私がもう5年以上前からcitrus限定で自称している「ネットニュースパトローラー(=NNP)」は、あながちピント外れでもなかった? ちなみに、私はこの「NNP」という肩書きのアバウトさを思いのほか気に入っている。あくまで「パトロール」ゆえ、その日まな板に乗せる(ネット上から見つけてきた)人物やテーマに必ずしも精通している義務がないからだ。

 

次が「コード分類法」。やるべきことはおおよそ「プロセス分類法」と同じだが、「昔取った杵柄なんてないよー」という人のための分類法ゆえ、STEP1のみが「何でもいいから自分の経験したことを書き出すこと」と、より門戸を拡げたお手軽な“入り口”となっている。私だったら、ザッと挙げると

 

「陸上(中距離)」「(硬式)テニス」「ドラム」「イラスト」「JAZZ」「喫煙」「医療事務(バイト)」「看護師助手」「原稿執筆」「福山雅治」「バックパッカー」「ボクシング」「野球」「パデル」「スペイン」「パチンコ」「脳科学」「お城巡り」「AI」「人工衛星」「喫茶店」「鍋料理」「ダーツ」「ラスプーチン」「Mac」「現代美術」「電話相談」「セフレ以上恋人未満のセックス」「アベンジャーズ」「王将餃子100個完食」「グレングールド」「脱毛」……

 

……と、そんなところか。(※「何でもいいから自分が経験したこと」でかまわないため「ホンの数回触ってみただけ」の項目も、もちろん少なからず含まれている)

 

こうしたなかから「原稿執筆」を柱として、それに「イラスト」やら「脳科学」やら「喫茶店」やら「福山雅治」やら「セフレ以上恋人未満のセックス」やらを無理やり「つなげ」ながら、どうにか私は業界をサヴァイブしてきたわけだが、今後は「原稿執筆」基軸をバッサリ切り捨ててしまい、本格的な副業にチャレンジしてみるのもアリ……なのかもしれない。たとえば、「パチンコ」と「脳科学」と「電話相談」をつなげて「パチンコ依存症向けのカウンセラー」とか? うん、意外と悪くない! いずれはNPO法人化しちゃったりして……妄想はどんどん膨らむばかりであった。