6月16日より放送予定のドラマ『探偵・由利麟太郎』(フジテレビ系)で、意外にも地上波ドラマでは初の主演を務めるというミュージシャンの吉川晃司(54)の日常を、『週刊女性PRIME』が写真付きで “スクープ” していた。どーいう感じの日常なのかと言えば、同記事によると、こーいう感じの日常であった。
5月下旬の午前中、都内の高級住宅街にある自宅を出発した吉川。
(中略)
人通りの多い道でもタクシーは使わず、あえて徒歩。信号待ちでは片足を上げる筋トレも欠かさない。15分ほど歩くと、(吉川のプライベートスタジオがある)雑居ビルへと入っていった。
(中略)
こもること5時間。“こだわりの空間”を後にすると、オーガニック商品を扱う専門店へ。刺身やトマトを選び、レジでマイ保冷バッグを出すという家庭的な一面も。その後、近くの高級スーパーへ。
「入り口でアルコール消毒した後、肉、ネギ、キャベツ、納豆、ワインを買っていました。ピンクのワインは奥さん用かも。レジに並ぶ間、片足を上げてキックする手前の運動をしていました(笑)。でも、誰も吉川さんだと気づいていませんでした。イマドキ珍しくガラケーを使っていました」(居合わせた女性客)
1ミクロンのやましさもない、まさに清廉潔白な“日常”である。まず、
「なにか不穏ないしは不貞な行動があったならまだしも、いくら相手が芸能人とはいえ、ここまでプライベートをいちいちほじくり返して記事にせんでも…」
……とは一応申しておこう。「居合わせた女性客」って(笑)……ホントは記者サンなんじゃないんでですか? まったくもって、清々しいほどに毒にも薬にもならない典型的な流し原稿ではないか。
だがしかし!
「芸能人もれっきとした公人。プライベートを詮索されるのはある程度仕方がない」
……といった見地から捉えると、着目すべき点が満載な、なかなかに興味深い記事でもある。
「信号待ちでは片足を上げる筋トレも欠かさない」「レジに並ぶ間、片足を上げてキックする手前の運動をしていました」……吉川にとって、左足首を骨折したときですらライブ中で2度キメたと伝説になっている(※当時の吉川コメント→「たかが骨の一本、心配は御無用です。その他は元気いっぱいです」)、あの “シンバルキック” は、今でも絶対不可欠なトレードマーク的パフォーマンスだってことだろう。「刺身・トマト・肉・ネギ・キャベツ・納豆・ワイン・(奥さん用かもしれない)ピンクのワイン(=ロゼワイン?)」という食材のラインナップも、どことなく栄養のバランスが良さそうで、完璧だ。「マイ保冷バッグ」「ガラケー」という意表を突いた小物のセンスも素晴らしい。
「セックス・ドラッグ・バイオレンス」がコンプライアンス的に “ロック” の代名詞として許容されがたいこのご時世。「トレードマーク的パフォーマンス」をよりいっそう磨き上げるための周囲の目も物ともしない地道なトレーニング、栄養バランスに優れた食材といった“健康志向”にプラスされる違和感がキラリ光るさり気ない小物……これも一つの新しい「なんかロックな感じ」なのではなかろうか? 自宅の巨大冷蔵庫に大好物のドラ焼きがビッシリ(との噂)なYOSHIKIや、紅白出演の際「本番のパフォーマンスで燃え尽きてしまいヘトヘトになるから」という理由でずっと車椅子を使っていた(との噂の)ToshIとかとはまたニュアンスが違えど、今後も吉川晃司の “ロック” な生き様を、ひっそりと私は見守り続けていきたい。
ちなみに、「居合わせた(らしい)女性客」は記事内で「誰も吉川さんだと気づいていませんでした」とコメントしていたけど、たぶんそんなことはない、けっこうなヒトたちが気づいてたと思う。さすが「高級住宅街」近くにある「高級スーパー」のお客さま方々は、芸能人を見慣れているだけあって“見て見ぬフリ”というマナーもおのずと身に付けている……に違いない?