最新作は『不倫の流儀』! ホイチョイ・プロダクションズは、もはや時代遅れなのか?

 

あのホイチョイ・プロダクションズが7月10日、『不倫の流儀』(小学館)なるタイトルの最新著書を刊行した。

 

漫画雑誌『ビッグコミック』(小学館)での同名連載をまとめたもので、著名人の不倫が世間を賑やかす時代背景を反映しながら、中年男性が若い女性を口説く秘訣をホイチョイ流のウイットを交え、イラスト付きで紹介する内容である……らしい。

 

いきなり冒頭で「あの〜」と書いてしまったが、今の若い世代はホイチョイ・プロダクションズのことなんて知らない子たちも多かろう。念のため、簡単な説明をしておくと、

 

「『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で1981年からスタート、現在も連載中の『気まぐれコンセプト』という大手広告代理店をモデルにしたギャグ4コマ漫画を代表作とし、ほかにもテレビ番組『カノッサの屈辱』だとか映画『私をスキーに連れてって』だとかのバブリーな作品を制作する “くりえいたー集団” 」

 

……みたいなところか? 

 

バブル期真っ最中のころは、それなりに尖っているようなイメージもあった。けれど、それ以降もいわゆる “在りし日のD通” 的な美意識を、ある意味ブレずに貫きとおし、もはや「スマホ全盛の時代におけるガラケー(それもアンテナがニョキッと出るタイプの)」に近い存在となりつつある……ってえのが私の率直なホイチョイ評である。

 

前出の著書『不倫の流儀』について報じている記事下のコメント欄をザッと眺めてみるかぎり、

 

「30年前にこの人たちの映画と共に過ごしてきた世代ですが、いつまでやってんの? ってのが正直な感想」

 

「ホイチョイはもう時代遅れだよ。今の時代との歯車が噛み合ってない事が自覚出来てなくて痛々しいよ、、、」

 

「不倫が肯定される文化になってきたのかね? なんなんでしょうか」

 

「いい年してまだテクニックに頼ろうと言う時点でアウトでは(笑)」

 

「このご時世、そんな事やってる場合じゃないって事が分かる常識人がモテると思います」

 

……など、過去の遺物感を指摘するコメントが大半で、前評判もあまりよろしくない。

 

帯のコピーは「そろそろ動きませんか?」──「服でモテる」「LINEでモテる」「BBQでモテる」「車でモテる」「ギターでモテる」「京都でモテる」「アートでモテる」「キャバクラ(デリヘル)でモテる」……ほか、さまざまな「〜でモテる」の中間くらいには「正月を乗り越える」という項目が差し込まれ、最後は「不倫がバレる」で〆……と、なかなかにしっかりとした、洒落た構成だとはお世辞抜きに思う。しかし、こんなトレンドと逆行したバブリーな本、はたして買うヤツがいるのか!?

 

……と、自分で問いかけておきながら、こんな風に申すのもなんだが(笑)、私は一定数、しかもわりとけっこうな数のおじさんがこっそりと買っちゃうのではないか……と、にらんでいる。なぜなら、既婚者男性の少なく見積もっても過半数以上は、「このご時世」でも潜在化で「できるもんなら、一度は不倫…せめて一歩手前まではヤッてみたい」という願望を秘めているに違いないからだ。ヤッてはみたいけど、最近の厳しいコンプライアンスや経済面や心身の老化や出会いの場がない……などの理由でヤリようがない。だから、ヤフコメ欄あたりで「不倫けしからん!」などと正論をブチまけては憂さを晴らし、その裏で、とくにPOPEYEやHot-Dog PRESSに強い影響を受けた40〜50代のマニュアル世代は、この手の “指南書” を読んで、「なんとなく不倫(手前まで)した気分」に浸り、自己完結へと走るのだ。そして、こうした使用意図は、おそらく週刊現代の『死ぬまでセックス』シリーズを愛読するおじいちゃんと同じようなマインドから来るものなのではなかろうか?