女性3人組のテクノユニット『Perfume(パフューム)』が、9月6日放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)に出演し、現在に到るまでの苦労話を訥々と語っていた。
メンバーが言うところの「8年くらい」の下積み時代のさなか、2007年に発売したシングル『ポリリズム』が大ヒット。その当時のころを、あ〜ちゃん(31)は、こう振り返る。
「(ポリリズムをきっかけに)いろんなところ(←メディア)に出させていただけるようになったときに『一発屋』ってすごい言われたんですよ」
「でも『一発屋、ラッキー! 一発屋になれた!』っていう感覚でやっていた。(その後は)あれよあれよと…。こんな歌手になれるなんて…。」
「こんな歌手」を、あ〜ちゃんが「どんな歌手」とイメージしているのかは定かじゃないが、今年で結成20周年(デビューは15周年)を迎え、NHK紅白歌合戦には12回連続出場を果たした、まあ、日本を代表するアーティストの一組であることに間違いはない……のだけれど、この日の『おしゃれイズム』の模様を後追いしていた、たとえば『スポニチAnnex』の記事(※ちなみに、タイトルは「Perfum」と誤記されたまんまであるw)下にあるヤフコメ欄には、意外にもPerfumeに対する、以下のような辛辣な意見も散見された。
「中田ヤスタカが絡む楽曲って地声で歌聞かせないみんな同じような作りもんの声。心にまったく響かない」
「歌ってないのに歌手なの? かといってダンサーってほどでもない」
「歌手なら生で歌いたいのが当たり前。毎回口パクでストレスがたまらないのかしら?」
一度、私は友人に誘われ、Perfumeのコンサートに行ったことがある。私も彼女らの曲は『ポリリズム』しか知らなかったクチなので、正直なところ行くまでは「面倒くさいな〜」程度にしか思っていなかった。しかし! いざライブがスタートしたら、私のそんな先入観は木っ端微塵に粉砕され、その圧巻のパフォーマンスに、たちまち魅了されてしまった。
とにかく、最新のハイテクノロジーの粋を極めた、目映いばかりのステージ演出が見事! 「一曲しか知らなかったクチ」の私でも十分に楽しめて、また、ヤフコメ欄にあった「辛辣な意見」の一つ「心に響かない、地声で歌聞かせないみんな同じような作りもんの声」が逆にいい。その無機質でエモーショナルとは対極にあるデジタルメイキングな “舞台美術” と、じつにマッチしている。表現を変えれば、アーティスト “だけ” が突出していない。プロデューサーの中田ヤスタカ氏やVR制作者、音響さん、振付師さん、スタイリストさん……ほか、すべてのスタッフが一丸となり、最大限の才能を“対等”にぶつけ合って完成したチームプレイの賜物──それがPerfumeなのだ。
「テクノ」「チームワーク」「究極の無個性」……これぞ日本が誇るキーワードなのではないかと、私は考える。ゆえに、もし万一来年の東京五輪が“予定通り”開催されるなら、ぜひ開会式にはPerfumeを招いてもらいたい。ただ、とあるアンケート調査による「東京オリンピックの開会式でパフォーマンスしてほしい歌手」のランキングを見てみたら、
1位:嵐
2位:米津玄師
3位:サザンオールスターズ/桑田佳祐
4位:安室奈美恵
5位:ドリカム
6位:B’z
7位:ゆず
8位:X JAPAN
9位:ミスチル
10位:ワンオク
……と、Perfumeはベスト10にも入っていなかった。ダメですかね? Perfume……。