立憲民主党「大阪都構想反対」の"大阪のおばちゃん"ポスター炎上! どうすれば炎上回避できたのか考察してみた

 

東スポWebによると、大阪市を2025年に廃止して4特別区を新設する「大阪都構想」(11月1日投開票)の住民投票をめぐり、反対派の立憲民主党が制作したチラシが物議を醸している……らしい。


 
問題となっている「大阪都構想反対」の意を啓蒙するポスターの一つとは、ヒョウ柄のズボンをはいた金髪の中年女性が肩肘ついて寝転がって、せんべいをかじりながらテレビを見ているイラスト。中央には
 
 

大阪に
いらんこと
せんとってや、
ほんま。

 

……というキャッチコピーが、縦書きで綴られている。そして、同ポスターは立民のツイッターの公式アカウントでも10月13日から投稿され、一部の大阪府民から「大阪のおばちゃんをバカにしている」「不愉快だ」……ほかの批判が寄せられ、東スポ曰く大炎上(※おそらく実態はプチ炎上)しちゃっているのだそう。

 

大阪都構想の是非を問うような政治的見解を、ここで述べるのはやめておく。ただ、いくらポスター上で「この寝転がっているご婦人は大阪のおばちゃんを象徴しているんですよ」と注釈されているわけでもないとはいえ、大阪市(あるいは大阪府)に在住する「おばちゃん」と呼ばれる少なからずの層(の一部)が、このポスターを見て「こんなおばちゃん、イマドキどこにおるん?」「こんなんを大阪のおばちゃんって一括りにせんとってほしいわ」……と気分を害されてしまうのも、立民側からすれば想定しておくべきリスクの一つであることに間違いははない。

 

ところが? これらの批判を受け、立民の関係者は以下のような困惑の声を漏らしているという。

 

「かわいいデザインということと、庶民的な発想という形で提案して、アーティストの方に作ってもらったので、セリフも素朴な疑問を出し合って、出てきたものを書いている。大阪のイメージどうこうとは書いていないんですけどね。市民の代表なんて書いてもいないし。それを『イメージが悪い』と言われても、かえってイジメの構造を作っているみたいというか…」


まず、一つだけ指摘しておく。仮に、この「関係者の困惑の声」が正確なモノだとしたら、「アーティストの方に作ってもらった」とのくだりは、ぜひ撤回していただきたい。万一アーティストが大御所クラスだとしても、政府および地方自治体や政党がらみのいわゆる政治系仕事が、「オレの(アタシの)描いたイラストに何か文句でもありますか」→「いやいや、そんな滅相もございません」……と、そのままスルーされて一気に校了へと到るなんてケースは絶対にあり得ない。クライアント側による幾多もの厳しいチェックを潜り抜け、何度も何度もラフイラストを提出して、最悪は描き直しも余儀なくされたうえで、ようやくその“作品”は世に出されるのが常套なのだ。つまり、それが“広告”として使用されることを前提とする描き下ろし作品である以上、アーティストは主義主張を捨て、クライアントの言いなりになるしかない……のに、「作ってもらった」とさり気なく責任転嫁するのは、あまりにも酷すぎだろう。

 

さて、話を戻そう。たしかに、この程度のことで重箱の隅をほじくるかのごとく、ヒステリックに騒ぎ立てるのも大人気ないのでは……的な立民側の控えめな抗弁も一理あるとは思う。が、もし本気で炎上を避けたいのなら、「この程度のことでヒステリックに騒ぎ立てる」人たちのことを侮ってはいけない。当たり前だが、世論として目立つのは「沈黙している人」よりも「騒ぎ立てる人」なのだから。ゆえに、今回の件で立憲民主党が取るべきだったのは、「ヒョウ柄のズボンをはいた中年女性を大阪のおばちゃんに見立てる」のではなく、「立民党員である、たとえば辻元清美衆院議員とかにヒョウ柄のズボンをはかせ、大阪のおばちゃん風に見立てる」戦略だったのではなかろうか?