タレントの壇蜜(39)が、11月3日深夜に放送された『あちこちオードリー〜春日の店あいてますよ?〜』(テレビ東京)に出演。今日(こんにち)のようにテレビ番組で活躍できるまでへと至ったいきさつを明かしていた。
壇蜜の芸能界デビューは2009年。テレビの仕事が劇的に増えたのは、現在でも準レギュラーを務めている『サンデー・ジャポン』(TBS系)がきっかけだったという。
「(同番組レギュラーの)テリー伊藤さんと、ある雑誌で対談して、『お前、面白いからテレビ出ろって(言われた)。私、ヌードの映画に出てたので、たまたま対談させてもらったんです』」
その後、テリー伊藤は番組スタッフに猛プッシュ──あれよこれよと壇蜜の「サンジャポ出演」が実現した……らしい。そして、その三段跳び的な大抜擢に、この日共演していたお笑いコンビ『チョコレートプラネット』の長田庄平(40)と松尾駿(38)は、
「そんな簡単にテレビに出られるんですか!?」
「そんな近道もあったんだ…」
……と、驚きの声を。たしかに、こうして壇蜜の告白を淡々と文字に起こしてしまえば「最短の近道を見つけた女性タレントのシンデレラストーリー」としか聞こえないのかもしれない。が、はたして壇蜜は本当に「そんな簡単にテレビに出られた」のだろうか?
それはちょっと違うような気が、私はする。まず、「ヌード映画に出ていて、たまたま(テリー伊藤と)対談させてもらった」というくだり。AV女優からポルノ女優、着エロアイドルに風俗嬢……まで、「脱ぐこと」を職業とする女性が星の数ほど存在するなか、「雑誌でテリー伊藤と対談する」のは「近道」どころか、奇跡的に稀な確率だと言える。そのころから壇蜜は“ヌード女優”として相当な異彩を放っていたのだろう。さらに、その対談でテリー伊藤に「お前、面白いからテレビに出ろ」と言わしめ、実際にテリー本人が出演交渉までしてしまうほど気に入られる……なんてことは、普通はほぼありえない。
今でこそ「口うるさいお爺ちゃん」的なキャラを売りとするコメンテーターみたいなイメージが定着しつつあるテリー伊藤(70)だが、このヒトの“演出家”としての経歴はテレビ界でもレジェンドとして語り継がれており、手掛けた番組をザッと振り返ってみても、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『ねるとん紅鯨団』『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』『浅草橋ヤング洋品店(浅ヤン)』……ほか、錚々たる、かつての“オバケ番組”が立ち並ぶ。つまり、「人材を発掘する眼力」は卓越しているのだ。そんな天才テレビマンのお眼鏡にかなうことを「簡単」「近道」と一言で評してしまうのはいかがなものなのか? 仮に、テリー伊藤にも「妖艶なお姉さんともっと親密になりたいな…」という、ほのかな下心あったとしても、それだけでサンジャポスタッフを口説き落とすまでに“動く”はずもない。やはり、それだけの才能を、当時のヌード女優・壇蜜から的確に見出していたのだろう。「妖艶なお姉さんと、より親密になれること」も男としては嬉しいかぎりだが、それ以上に「隠れた逸材を世に出すこと」はヒトとして、最高のエクスタシーを得られるもの……なのではなかろうか。