『東京イセアクリニック(医療法人社団心紲会)』が、「最新の美容整形事情」を探るさまざまなデータを、プレスリリースというかたちで公表していた。
まず、東京イセアクリニックの門をたたいた来院者数は、2015年〜2020年(※2020年は11月30日まで)の6年間を比較すると、6.7倍に! ちなみに、前年比は1.6倍で、もっともポピュラーとされている「目元の整形(二重の埋没法・切開法ほか)」の件数に関しては、じつに6年間で15.4倍も増加しているという。新型コロナウイルスの蔓延による在宅勤務や外出自粛で、「人と会う機会が減った」「ダウンタイム(施術後の腫れなどを回復するまでの時間)を他人に見られずに済む」「マスク着用が当たり前になった」……という生活様式の劇的な変化が、少なからずの“追い風”となったようである。
そして、同院が2020年11月1日〜30日の1ヶ月間で、相談ならび施術のため来院した10代〜50代245名の女性を対象に行なったアンケート調査によれば、なんと!
美容整形をしたら9割以上(95.9%)が「周囲へ言える」
……と、さらには
4割以上(41.2%)が「SNSで発信したいと考えている」
……と回答。また、「美容整形に対するモチベーション」について尋ねてみたら、「自分自身のため」との返答が「モテ」や「他人からの評価」を大きく上回った……らしい。
それにしても、すでに美容整形を決断した女性──つまり、美容整形を身近かつポジティブに捉えている層“のみ”から取ったアンケートとはいえ、「公言」を厭わない女性が9割以上……とは、一昔前の日本ではとても考えられない、驚愕の数字ではないか。
仮に、男性である私だとどうだろう? 還暦を間際とする初老男子の私には、さすがに今さら「美容整形」はあまりピンと来ないので(笑)、カツラだとか植毛って話にしとこうか。ん〜……ヤッたからにはやっぱ、おおっぴらにはできない……ってか、したくはないわな……。「本当は薄毛でした」という事実より、むしろ「薄毛を気にしていた自分」を知られてしまうのが恥ずかしい。白髪染めなら、たぶん堂々と言えるハズ……なのに?
もしかすると、「外見のマイナスをゼロにする行為」を“恥”とする──これが我々“現代の日本人”の最大公約数的な感性なのかもしれない。いっぽうの「美容整形」や「白髪染め」といった「ゼロをプラスにする行為」には、「それがなぜ悪い?」と、逆に開き直り、公に向けて発信することで“後ろめたさ”を無くし、「よりイケてる自分をひたすら追求するために日夜ガンバっているワタシ」を“自信”の源とするのだろう。
私は、ずいぶん前から、たとえ自分のカノジョであろうが妻であろうが「整形したいんですけど…」と告白されたら、「うん、いいんじゃない?」と即答できる、まぎれもない美容整形肯定派であった。しかし、眼だけだったり、鼻だけだったり、オッパイだけだったり……の一点だけに局地的なこだわりを抱きすぎず、“そこ”をイジることによって、自身の外見のトータルバランスがどのような影響を受けるのか……は、“決断”へと到るまでに、冷静に考え抜いてもらいたい……とも思っている。