「日常で見落としがちな出来事や話題のニュースを、独自の視点で切り取ってお届けするウェブメディア」を志す『grape(グレイプ)』が、「LINEでなぜか文章の語尾だけを絵文字にしたがる父親を持つ若者」のツイートを紹介する記事を配信していた。
念のため。ここで言う「絵文字」とは、↓の写真にある「え文字」の「え」のことで、LINEでチャット会話を交わす際、たとえば「よ」と打てば、いろんな手描きの「よ」や「ヨ」に変換できるようになっている。
そして、投稿者である若者の父親は、
「パソコンのマウス、線無しに、したいけど、どんなパソコンでも出来るん“カ”」
「電気屋に行ったら、すぐ出来るん“か”」
「これ“カ”」
……と、疑問系の文章のときは、とにかくなんでもかんでも語尾「か」「カ」と絵文字に変換しちゃうのがマイブーム……なのだそう。
もちろん、LINEのやりとりはスピード重視である若いヒトたちが、コレを使っているのは見たこともない。おそらく、こういう機能があることさえ知らない……ってよりは、完全にスルーしてしまっているのだろう。ただ、むしろ投稿者より父親世代に近いと推測できる私は、このお父さんの気持ちがすご〜くよくわかる!
私も、(たぶん3年前くらいだっけか?)この絵文字機能が唐突にLINE上へと現れたときは、こぞって多用していたものである。でも、反応は極めて薄く、誰も「なにこれ!?」とも「カワイイ!!」とも褒めてくれず、「オレも(アタシも)使ってみよっと!」と追随してくれるヒトもいっこうに見当たらなかったので、フェイドアウト的に“封印”してしまった。
拙著『モテと非モテの脳科学〜おじさんの恋心はなぜ報われないのか〜』(ワニブックスPLUS新書/菅原道仁共著)でも書いたのだが、「おじさんLINE」には、以下のような傾向が多々あったりする。
・やたら句読点が多い
・顔文字・絵文字を乱用
・スタンプも多用
・妙にカタカナを使い分ける
・「?」「!」マークが赤色
そう! 我々世代は、総じてLINEの文章が長めで、しかもそれをカラフル&デコラティブに仕立て上げるきらいがあるのだ。とくに、語尾の「トメ」をトメとして相手に強く意識してもらいたいためなのか、いまだ“おっさん臭い”のは承知ながら、「(^ ^)」や「(^^;;」や「m(__)m」を添えたり、「?」マークや「!」マークを赤くしてしまう。前出のお父さんにも、そんな私と似たような心理が働いているがゆえの「絵文字」なのかもしれない。
私なんぞは職業柄、若者のトレンドに関する情報に中途半端なかたちで触れてしまうせいで、ついそれらに(やはり中途半端なかたちで)迎合しちゃったりもするのだけれど、こうして「オレがいいと思って使ってるんだから、なにが悪い!?」と、外野の声に流されず“我が道”を貫きとおしたほうが、そのギャップをおたがいの世代が楽しむ余裕だって、生まれてくるのではなかろうか? おのれのハートの弱さを今日はチョッピリ反省したい気分であった。