昨今、SNS上などで頻繁に飛び交っているネットスラングの一つに「おばみ」ってヤツがある……らしい。
簡単に説明してしまえば「おばちゃん臭い言動」のことで、たとえば女子同士の日常会話だと
「A子の今日の髪型、ちょいおばみっぽ〜い!」
……みたいな感じで使用するのだという。「おばみ」の「み」はおそらく「味」と書いて音読みにしたのだろう。そして、「好奇心は女性を美しくする」をスローガンとする恋愛情報サイト『yummy!(ヤミー!)』が、「男性がふとしたきっかけで、自分の彼女に“おばみ”をおぼえてしまう瞬間」として、以下の3つを挙げていた。
(1) 彼女の頭髪に白毛を見つけて…
(2) 酔っ払って寝落ち…ほか、だらしないところが増えてきた
(3) 「美魔女」を自称する
同記事の筆者は(ペンネームから判断するかぎり)女性の方なので、まあさしたる問題にはならないのかもしれないが、私のような“男性が”女性の「おばちゃん臭さ」を(とくに肉体的な面で)下手に論じると、コンプライアンスや#MeToo的な視点から少々ややこしい事態を引き起こしてしまう危険性もなくはないので、前出した「3つ」の“鑑定”については「ノーコメント」ってことにしておく。ただ、いかにも高級っぽいレストランやホテルや旅館とかで、『snow』だかなんだかでつるんとした質感のバブリーな自撮り写真をマメにアップしている中年女性のインスタあたりに、「#美魔女」のハッシュタグを発見してしまったときは、「おばみ」云々を語る以前に、シンプルな「イタさ」を感じてしまう……。
……ってなわけで、このまま「おばみ」、いや「美魔女」批判をエスカレートさせていけば、いずれとんでもない失言もかましかねないので、本当にここらでやめておこう(笑)。さて。「自分の彼女に“おばみ”をおぼえてしまう瞬間」なんて風に上から目線でエラそうなことを言ってはいるものの、男性側も「自分自身に『おじさん臭い言動=おじみ』をおぼえてしまう瞬間」を客観的に認識し、修正すべきで修正可能であるならば……やはりキチンとそれなりの努力をして修正すべきだと私は思う。ここで、来年に還暦を迎えるワタクシ山田ゴメスが「自身に“おじみ”をおぼえる瞬間」のいくつかを箇条書きしてみよう。
・ヒゲを3日間剃らずに鏡を見たとき(ヒゲは頭髪よりも白毛率が高いので、伸びたら見た目が一気に老けてしまう)
・陰影の強いカメラモードで自身の写真撮影を行ったとき(皺がとにかく目立つ)
・自身の写真撮影の際、どんなに眼をぱっちりと見開いても、どこかまぶたが重い
・人と会う予定がなければ何日お風呂に入らなくても平気
・加齢ごとに一本一本抜け落ちていく「歯」に対する執着が薄くなる
・コーヒーを飲むと口が臭い(ような気になる)
・なにかにつけて「数値」がやたら気になり始める
・なにかにつけて同世代の「平均」と自分を比較したくなる
・「若い女性と一緒に食事ができるだけでも自分は恵まれている」と本気で思い込む(自身にそう暗示をかける)
・草野球で外野を守っていると、必ず一度はボールを見失ってしまう
なんらかの参考にしていただければ幸いだ。最後に念のため。「おじみ」は、まだ世にはほとんど出回っていない、一応はゴメスによる造語である。