お笑いコンビ『メイプル超合金』のカズレーザー(36)が6月5日、自身のYouTubeチャンネルを更新し、「楽しい会話」の極意について語っていた。
視聴者からの悩み相談に応える企画で、大学生から
「会話をすることが苦手で、彼氏の高尚な話について行けず困っている。読書をはじめたが、彼に追いつくのは難しい。知識量の差がある場合、どのように話を広げていけばいいでしょうか?」
……との質問が。すると、カズレーザーは
「あなたが会話が苦手なんじゃなくて、彼氏がそもそも会話下手なんじゃないですか?」
……と、バッサリ。さらには
「この方が哲学や政治、法律とかを(あなたが)知らないのにその話をしてくる時点で、会話が下手でしょうね。会話っていうのは、相手がキャッチしやすいボールを投げるっていうこと。相手にもキャッチしやすいボールを投げてもらうってことなんでね。相手が捕れない嫌らしいコースに投げるヤツとキャッチボールしても面白くないですからね」
……と、フォローを加えた。
昨今、ワイドショーやSNS……ほかで発言するたびに評価がウナギのぼり状態なカズレーザー──そんな状況下で「右にならえ」とカズレーザーを手放しに称賛するのも少々癪(しゃく)だったりもするのだけれど(←器が小さいw)、彼が提言するこの「会話のキャッチボール理論」は、まったくもってそのとおり……だと私も思う。
これが「哲学や政治、法律」とかの、相談者曰くの「高尚な話」ではなく、仮に「地下アイドル」だとか「アニメ」……だとかの話題に終始しがちなヒトだったらどうなのか? 「オタク」の一言で片付けられ、同じ趣味を持つヒト以外は近寄りもしないだろう。例えるなら、グローブの付け方すら怪しい野球ド素人のギャルに、140キロ級の豪速球にシンカーやフォークを混ぜて投げるようなもの──もはや、それは“対話”ではなく、“イジメ”と呼んでかまわない。相手の知識量や興味のツボを、最初の“雑談”の段階でなるべく的確に読み取り、自身の会話のレベルやベクトルを速やかにさりげなく、その“解析結果”へと向けて微調整(あるいは大幅な調整)を行うことこそが、会話上手になるための不可欠なスキルなのである。
いっぽうで、“聞き上手”になるための修練も、できれば日々積み重ねておくに越したことはない……と私は考える。
我が愛する阪神タイガースに梅野隆太郎というキャッチャーがいる。「梅ちゃんバズーカ」と異名をとる肩の良さも魅力だが、捕球テクニックへの評価がとにかく高い! ピッチャーの投球を後ろに逸らさない「ブロッキング」はチーム内からの信頼も厚く、ワンバウンドの投球に対しては、体で止めることよりミットで捕ることを心がけており、バックハンド(逆シングル)での捕球を多用する「梅ちゃんウォール」は「日本球界一」と呼んでも差し支えない、神業とも言えよう。
では、この「梅ちゃんウォール」から我々はなにを学ぶべきなのか? カズレーザーが申すところの「会話下手」なヒトがポンポンと放(ほお)ってくる“悪球”を梅野捕手のように、ことごとくキャッチできる“技術”を取得できれば、会話を“受ける”際に、よりいっそうの幅を持たせることができる。そして、そのための「修練」とは(当たり前の結論で恐縮ではあるものの)、あらゆる分野の知識を、せめて相槌を打てるくらいには頭に詰め込んでおくこと……しかないのかもしれない。たま〜に私は「ゴメスさん、今適当に相槌入れたでしょ!」と相手に指摘されるケースもあるのだが、そこを見破られるってことは、“会話の達人”としてまだまだ甘いということだ(笑)。