動画配信の横断検索サービス『ciatr(シアター)』を運営する『viviane』が、「実写化のクオリティが高いと思う女優」をテーマにアンケート調査を実施。そのランキング結果と分析を述べる記事をAll Aboutが配信していた。とりあえずは、その「ベスト3」に選ばれた女優を以下に紹介しておこう。
1位:橋本環奈(代表作:『銀魂』神楽役)
2位:浜辺美波(代表作:『賭ケグルイ』蛇喰夢子役)
3位:深田恭子(代表作『ヤッターマン』ドロンジョ役)
なるほど……“個々”ではなく“並び”で見れば、従来の「好きな女優ランキング」とかだとわりに見慣れない顔ぶれだと言えなくもない。
同記事の筆者である芸人兼コピーライターの石川カズキさんは、
「実写化においてアニメファンに支持されるには、2次元のキャラに引けを取らないビジュアルだけでなく、世界観を3次元に体現する演技力も重要のようです」
……と指摘している。つまり、「実写化のクオリティが高い女優」というのは、おそらく
「アニメやマンガの作品を映画やドラマで実写化しても、原作のヒロイン役に負けないくらいの表現力を発揮できる女優さん」
……ってことなんだろう。
頭の中ではちゃんと理解できている。できているが、マンガはともかくアニメに関しては『巨人の星』『魔法使いサリー』『マジンガーZ』……あたりを経て『宇宙戦艦ヤマト』でほぼ知識が止まってしまっている(※ガンダムですらほとんど観たことがない。ジブリ作品にもけっこう疎い)私としては、「実写化のクオリティが高い女優」として橋本・浜辺・深田がスリートップの座に輝いた……という現実を「だよね〜!」とすんなり看過することができない。
いや、この3人が悪いと言っているわけでは決してない。「実写化」にチャレンジした経験がある女優だけにかぎっても、それなりに幾多もの“候補者”が挙がってくるはずなのに、なぜ“あえて”彼女らなのか? そこらへんがよくがわからないのだ。
私の乏しい芸能知識から読み解くかぎり、3人に共通しているのは「テレビCMでも引っ張りだこ」ということ──そして、「広告業界の人気者」であるということは、当然ながら「(少なくとも外に出回る)私生活もクリーンであること」が余儀なくされ、そうなれば「プライベートの漏洩」も頻度が減り、“人間臭さ”みたいなものが我々視聴者が抱くイメージから除去されていく。
さらに、15秒〜30秒の尺を一作品とするテレビCMにおいては、そんな彼女らが露出している(顔も含む)すべての肌にコンマ数秒のスキもない徹底的なレタッチが施される。あの名作映画『ブレードランナー』でショーン・ヤングが演じたレイチェルのような質感を有する“レプリカント”の出来上がりってわけである。
……と、ここまでをまとめれば、「過去にアニメやマンガを実写化したヒロイン役にチャレンジした経験があって、只今CMでも引っ張りだこ状態な女優」こそが、イコール「実写化のクオリティが高い女優」って理屈になり、そうなれば今回の顔ぶれにもいささかの得心がいくのだが……いかがでしょう?