4度目の緊急事態宣言発令を強烈に皮肉ったデーブ・スペクターの、座布団百枚クラスの卓越したウイット力

 

6月末ごろ、citrusにアップした私のコラム内において、

 
「選手同士が禁止事項のマスク不着用やハグを密告し合う“チクリンピック”!」

 
……という名ネーミングで座布団十枚をかっさらっていった(※←ゴメスの独断的妄想ジャッジ)のが、あの『東スポ(Web)』であった。しかし! 7月8日に座布団十枚どころか座布団百枚差し上げても惜しくないクラスのインテリジェンスにあふれる、「4度目の緊急事態宣言発令」をスマートかつ強烈に皮肉ったツイートを、世界に向けて発信した者がいる。TVプロデューサー兼タレントのデーブ・スペクターである。とりあえずは、デーブが【速報】と銘打って、自身のツイッターに投稿した“問題作”を以下に紹介しておこう。

 

 
「あまりに緊急事態宣言を乱発したため、宣言への集団免疫が先にできてしまった見込み」

 
新型コロナワクチンによる集団免疫が達成される前に、緊急事態宣言への“慣れ”といった「集団免疫」を国民が獲得してしまった……と、日本の実情をアメリカンジョーク風のデーブ節で憂う内容だが、まさに言い得て妙! ジョークとエッジが絶妙なバランスで同居する、類い稀なる“名調子”……だと思う。

 
同ツイートには、

 

 
「これからは平常事態宣言が出たりしてwww」

 
「おもてなしから、表なしへ。東京オリンピック開催時の外出禁止令宣言か」

 
「慢性事態宣言に改名」

 
「なるほど! このうんざりした気持ちは副反応みたいなものですね」

 
……ほか、これまたなかなかに捻りの利いたリプライが続々と集まり、大喜利状態と化しているらしいが、やはり“真打ち”であるデーブの渾身作には一歩及ばず……という感じだ。

 
それにしても、デーブ・スペクターのこのウイット力は、どうやってこうも鍛え上げられているのだろう?

 
私はやはり、あらゆるメディアで「寒い」と共演者やネット住民などから失笑されつつも、懲りずに日々空気を読まないコメントや駄洒落を口にし続けるデーブの“めげない&ブレない”ハートの強さが、ときに目が冷めるようなスマッシュヒットを生み出す大きな要因となっているのではないか……と推察する。

 
そう! ギターもしかり文章もしかり野球もしかり……ウイットも、ここぞというときに優れたパフォーマンスを発揮するには“地道な反復練習”が不可欠なのである。つまり、テレビとかでしょっちゅう(下手すりゃ毎日一回以上のペースで)見かけるデーブのスベりっぷりは、いわば体育会系部活の「うさぎ飛び(※現在は関節や筋肉を傷める可能性が高い、との理由で禁止の風潮が主流となっている)」みたいなものなのだ。

 
「公共の電波を使って基礎練するなよ!」なんてツッコミだってあるのかもしれない。が、デーブ・スペクターは数十年もかけて(=スベりまくって)、それが許される「唯一」と言ってもかまわない“特例”の座を勝ち取った……のではなかろうか。