「野球に詳しくて、しかも上手い女子タレント」の筆頭株であろう稲村亜美(25)が8月23日、自身のツイッターを更新。只今、甲子園で熱戦が繰り広げられている『全国高校野球選手権』の2回戦で、大阪桐蔭が近江に4-0から逆転された一戦を振り返り、以下のようなコメントを投稿していた。
「近江の8裏の逆転すごかった!!!」(と2死満塁から飛び出した勝ち越し打を賞賛したいっぽうで)「大阪桐蔭の選手の皆さんお疲れ様でした!毎年思うけど体の仕上がりは大阪桐蔭が頭一つ抜けていて練習量の多さがわかります」(と名門校のレベルの高さを指摘)
相変わらずの野球への愛とリスペクトに溢れた、素晴らしいコメントだ。あと「8裏(ハチウラ)」「体の仕上がり」……と、“にわか”には絶対に使えるはずもない“通”な専門的用語を違和感なくサラリと語る野球知識の深さ!
ちなみに、過去にも稲村は「少年野球の盗塁規制論」に対して、
「盗塁はなきゃダメですよ。だって(もともとの)ルールを変えているわけですから。ソフトバンクの周東選手みたいな選手も小さい頃から(盗塁を)やってきたから」
「盗塁だけで負けるチームってないと思うんですよ。バントされてとか、小技使われてとか、ヒット打たれてとかで負けるんで」
……と、真っ向から反論しており、その“ごもっとも”な理論と、「盗塁」「バント」「小技」「周東」……などなどの、まだ20代前半の、都内に在住する若い女子の口から聞ける確率は(おそらく)1%未満だと予測されるワードのオン・パレードに“萌え”の心を燻らせ、ノックアウトされてしまった男性野球人も、少年から中高年まで数知れず……なのは間違いない。
私なんぞは、もうコレだけで「結婚してください!」とプロポーズすらしかねないクラスの勢いだったりするわけだが、ここでいったん冷静さを取り戻し、「稲村亜美の将来」について少々真剣に考えてみよう。
「神スイング」なるキャッチコピーが代名詞となるほどに美しいバッティングフォームを持ち前とする稲村亜美だが、投手としても100キロを超えるストレートを放ることができる(※私が自身の投球をスピードガンで測定したときは86キロだった)彼女は、れっきとした「二刀流」だったりする。
さて。では、はたして稲村亜美は今後、バッターに専念すべきなのかピッチャーに専念すべきなのか? それとも、あえて大谷翔平選手の背中を追って「二刀流」なるイバラの道にこだわるべきなのか?
ただ当たり前の話、大谷選手と違って、稲村亜美にとって重要なのは「成績」ではなく、あくまで「その卓越した野球スキルをタレントとして、どう活かしていくか」であり、ならばビジュアル的に華やかな映える「神スイング」も、始球式ごとにアピールチャンスが与えられる「100キロ超えのストレート」も……どっちも捨てがたい。ってなわけで、加齢に伴い明らかにどちらかのスキルが落ちるまでは、やはり二刀流を貫きとおすべきなのではなかろーか。どーでもいい結論でスミマセン(笑)!
ところで、『文春オンライン』が配信していた、スポーツジャーナリストの石田雄太氏の著書『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編2013-2018』(文藝春秋社)の一部抜粋によると、19歳だった当時の大谷選手に「どこを守っているの?」と質問した際、こんなやりとりが交わされたという。
「ピッチャーと外野手です」
──二刀流って言わないんだ。
「僕は使わないですね。誰が言い始めたのかわからないので…僕はそういう表現は使わないんです。僕の中ではただ野球を頑張ってるという意識でやってますから、(投手と外野とは)やるべきことは区別して取り組みますけど、(両方やることを二刀流などと表現して)そういう風に区別することはないと思います」
たしかに、これが「野球とサッカー」とかならまだしも、同じ「野球」内においてのプレイスタイルゆえ、安易な「二刀流」という命名は、やや不適切……なのかもしれない。