むっちゃ納得! ワードの真ん中か語尾にアクセントをつけることを好む関西弁の特性が「マクド」を生んだ!?

 

「関西を24時間遊べるウェブマガジン」をキャッチフレーズとする関西発の情報サイト『L maga.jp』が、最大手ハンバーガーチェーン店『マクドナルド』の略称が、日本国中大半の地域は「マック」なのに対して、関西はいまだ「マクド」である理由について言及する記事を配信していた。

 
ちなみに、2017年に同店で行われた『マックなのか? マクドなのか? おいしさ対決!』キャンペーンによると、「マクド」の呼称を使うのは全11府県。近畿2府4県に加え、三重県と四国地方が該当し、そのうち四国と三重県・滋賀県は「『マクド』と『マック』両方を使う」との結果が発表されているという。

 
では、なぜ関西人は頑なまでに「マクド」なのか? その理由は、関西特有の「京阪式アクセント」にある……と、『L maga.jp』の取材に応じた、方言を研究している神戸女子大学文学部の橋本礼子さんは指摘する。

 

 
「『マック』では、京阪式アクセントの『低高低』を当てはめようとすると、2拍目が『ッ』となってしまい、聞こえない拍となるので、関西地方ではあまり好かれなかったのかもしれません」(橋本さん)

 
たしかに言えとりますわ〜! 大学時代までを関西で過ごし、以降は東京に在住──こてこての関西弁と、よほどの百戦錬磨な接客業のおねえちゃんにしか出身地がバレないほどの流暢な標準語を巧みに使い分けるバイリンガルな大阪人である私としては、得心しまくりのじつに鋭い分析である。『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』の略称である「ユニバ」、『ファミリーマート』の略称である「ファミマ」、それに「バナナ」「お箸(おはし)」「メンチ(※ひき肉ではなくて睨み合いのほうの)」「まいど」「なんでやねん」「ほないこか」(?)……なんかも、発音はどれも「↓↑↓」だ。もちろん、「キモい」「エグい」(関西=↑↓↓/その他の地域=↓↑↓)……ほか、“東西逆転”のケースもなくはないんだけど……。

 
さらに、三文字や五文字の奇数に省略するのがむずかしい略称、たとえば『セブンイレブン』の略称である「セブイレ」、『ケンタッキー・フライドチキン』の略称である「ケンチキ」(※関西以外では「ケンタ」)とかだったら「↓↓↓↑」と、関西人は語尾にアクセントを持っていく傾向が強い。カジュアルに使用する「fool」が、関西では「アホ」(=↓↑)、その他の地域では「バカ」(=↑↓)が主流なのも、こうした背景によるものなのかもしれない。

 
まだ一度も関西に在住したことがないヒトが、冒頭にアクセントを置いた「めっちゃ」とか……会話中にあやふやな関西弁を挿入してくるケースに時おり出くわすが、もし、より完ペキな関西弁を駆使したいのなら、とりあえずは

 
「奇数でできた単語は真ん中に、偶数でできた単語は語尾にアクセントをつける」

 
……という基本の基に留意してみてはいかがだろう?

 
ただ、やはり『L maga.jp』が配信していた『「とにかくかわいい」方言が魅力的な都道府県ランキング』では、大阪と京都を抑えての堂々一位に輝いたのが福岡県……博多弁だったんですけどね。広瀬すず・橋本環奈・今田美桜……あたりの影響ってことか???