全国で24院を展開する男性専門の医療脱毛専門院『メンズリゼ』(医療法人社団風林会)が配信しているプレスリリースに、「シニア毛」なる、なかなかに不思議な響きを含んだワードを発見した。
「シニア毛」とは『メンズリゼ』が命名した造語で、
「年齢を重ねるにつれ40代あたりから、とくに男性の耳毛・眉毛・鼻毛…などに目立つ、一部の濃くて、太くて、長い毛」
……のことであるらしい。
ではなぜ、老化とともに、そんな男性の“突出毛”は増えてきてしまうのか? 『メンズリゼ』総院長の赤塚正洋医師は、こう解説する。
それは「毛周期が長くなるから」だと考えられます。
本来、一定の長さになると抜け落ちるはずの毛が、加齢(老化)に伴い毛根にある毛乳頭周辺の「毛母細胞」という細胞組織が衰えることが原因で、毛の生え変わり周期(毛周期)が長くなることにより、若いときには産毛のうちに抜け生えしていた毛がなかなか抜けず、濃く太く成長し「毛が長く伸びてしまっている」ように見え、目立つようになるのです。
なるほど……還暦間際な私の髪の毛は日に日にどんどん抜け落ちていくのに、“どーだっていい毛”だけが「抜けずに濃く太く成長してしまう」とは、まことにもって皮肉な話ではないか。
つい先日にアップしたコラムでも申したとおり、男性が外見でもっとも気を配るべきなのは「眉毛」であり、
眉下のムダ毛をホンの1ミリ程度剃ったりカットしただけで(※逆に眉上をいじるのは厳禁)、まるで魔法をかけられたかのごとく、鏡に映る顔つきが明らかにガラッと凛々しくなる。
……ゆえ、(少なくとも私は)眉毛は比較的マメにチェックもお手入れもしている。
また、これまで散々恋愛系のマニュアル雑誌やサイトで「デート中の鼻毛は命取り!」「たった一本の鼻毛で百年の恋も冷める」……みたいなことを書いてきた私は、定期的な「鼻毛」チェックにも余念がない。ゼロコンマ数ミリでも鼻毛がのぞき見えたりしたら、まるで親の仇かのごとく執拗に、右の鼻の穴なら左手の、左の鼻の穴なら右手の親指と人差し指をグリグリ鼻の穴に突っ込み、ブチブチと豪快に抜きまくり、その都度止まらないくしゃみに悩まされる……が、耳毛は正直なところ、ほぼノーチェックだったりする。
そして、私と同世代の男性ならもう十分に承知かと推測されるが、これらの「三大シニア毛(=どうだっていい毛)」のなかでも、ひときわやっかいなのは「耳毛」なのである。
2021年の9月、40〜60代男性を対象に『メンズリゼ』が行った【「耳毛と加齢(シニア毛)」の意識調査】によると、「耳毛処理をしている男性」は33.3%にとどまり、じつに半数近い男性(49.4%)が「自分の耳毛には無頓着」であることが判明したという。そう! 眉毛や鼻毛と違って、耳毛は(鏡の前で)正面から対面できないからチェックが困難で、「チェックが困難」ということは、おのずとお手入れの難易度も高くなってしまうのだ。
昨今は男性のあいだでも、ヒゲをはじめとする腕毛やすね毛や胸毛の処理はおろか、寝たきりになってしまった場合の将来を見越して、あらかじめVIO周辺をつるんつるんにしておく「介護脱毛」etc.……と、ちょっとした“脱毛ブーム”が押し寄せつつある様相だが、「あと一花は咲かせたい」とひそやかに目論む、まだほのかな色気(=野心?)を残したまんまのオーバー40代男性にとっては、「将来を見越す」前に「今の(着衣状態での)清潔感をキープする」ため、三大シニア毛の「医療脱毛」にチャレンジしてみるのも……もしかしたら“アリ”なのかもしれない?