またもや「食」ネタで、しかも前回同様「恋愛の参考書」という、なかなかにシンプルで強気な宣伝文句をキャッチコピーとする恋愛系ネットメディア『スゴレン』からの引用である。
『「こいつ料理ヘタそう…」と思われる自称・得意メニュー9パターン』なるタイトルの記事である。
本記事は一応、女性に対して
「『料理が得意』と自己申告しても、○○を『得意メニュー』として挙げたら、その腕前を怪しまれますよ」
……と警鐘を鳴らすことを旨としているが、コレ……男性の「料理自慢」にもガッツリそのまま当てはまる内容ゆえ、「私(=ゴメス)自身への警鐘」とも捉え、大いに参考にさせていただいた。とりあえずは、その「得意メニュー9パターン」ってヤツを、以下に紹介しておこう。
【1】基本中の基本ですから「みそ汁」
【2】むしろマズく作るのが難しい「カレー」
【3】茹でて市販のソースをかければいいだけの「パスタ」
【4】ほとんど下ごしらえだけで済みそうな「鍋料理」
【5】冷蔵庫にはこれしかなさそうな「卵料理」
【6】洋風だからってダマされないぞ「グラタン」
【7】男なら誰でも喜ぶと勘違いしていそうな「肉じゃが」
【8】そもそもあんまり興味がない「クッキー」
【9】それ料理の腕じゃなくて食材のおかげ!「ローストビーフ」
私も50歳を越えてから料理をしはじめ、このたびのコロナ騒動で、おのずと自炊率の増加にますます拍車がかかるいっぽうだったりする。そして、そんな風に毎日料理をつくっていたら、
「本当に料理が得意なヒトとは、どんなヒトのことを言うんだろう?」
……みたいなことを、わりと真剣に考えるようになった。
私の持論として「本当に料理が得意なヒト」とは、
「冷蔵庫にストックされた食材を余らせずにローテーションしながら、バラエティに富んだメニューを手際良くつくることができるヒト」
……のことで、味覚の鋭敏さ云々よりは、意外と数学的な才能を要するのではないか、と思う。したがって、(あくまで家庭料理の範囲内において)「料理が得意なヒト」は「得意料理」(といった概念)がないわけで、切実に「料理が得意」と相手へとアピールしたいのならば、「得意料理は?」と問われたとき、
「とくに…」
……と答えるのが正解なのかもしれない。前出の「9つ」のうち、「カレー」に「鍋料理」に「(ルクエ=シリコンスチーマーでつくった)ローストビーフ」……と、3つもが該当してしまっている私は、まだとてもじゃないが「料理が得意」と吹聴できるほどの領域には達していないので、料理について尋ねられた際は、
「料理はできます」
「料理は好きです」
……くらいの控えめな答えにとどめている。その腕前は結局のところ、自慢したい相手の眼前で、実戦をもって示すしかないのだ。ただ、丸ごと一匹の魚をちゃんと三枚におろしてさばけるヒトは、それだけでもう確実に「料理が上手い!」と感心しちゃいますけどね?