あまりに完ペキな「エイジング論」をサラリと語る、じつは“名言の宝庫”である田中みな実を、あらためて正当に評価する!

 

フリーアナウンサー兼タレントの田中みな実(34)が、集英社が運営する通販サイト『HAPPY PLUS(略して「ハピプラ」)』のインタビューに応え、「エイジングとの向き合い方」について語っていた。とりあえずは、そのかいつまんだ内容を以下に記しておこう。

 今でこそ自分のペースで美容を存分に楽しんでいるが、かつては頑張りすぎて(美容に)疲れてしまった時期もあった。

プロセスをすべてやらなきゃと躍起になって、真面目に取り組みすぎていたのがその「疲れ」の原因。

エイジングも、抗うごとに一生懸命になりすぎると疲れちゃう気がする。

ある程度は(加齢を)受け容れたうえで、魅せ方や、どんなアプローチをしたらいいかを(最近は)考えるようにしている。

手のシワや胸の位置の変化に気づき、愕然ともしたが、若いころには戻れないけど、ハンドケアを見直してみたり、バストケア、下着の付け方でこれからの変化を緩やかにすることはできる。

年々輝きを増す美しい人たちを見ていると、皆さん共通して“今の自分”を知ろうとする探究心を持ち続けていると感じる。

だから、私も(自分の)変化を見逃すことなく、できることを続けて、自分が納得のいく年の重ね方をしていきたい。

 
なかなか……どころか、めっちゃいいことを言っている……と思う。前述の“みな実発言”をより要約すれば、

 
「ある程度は加齢を受け容れたうえで、自分の変化を見逃すことなく、ハンドケアや、バストケア、下着の付け方…などを見直せば、これからの変化を緩やかにすることはできるので、今はマイペースで美容を存分に楽しんでいる」

 
……みたいな感じになるのだろうか? いずれにせよ「格言」にも匹敵するほどの名言だと、私は思う。そう! 過度な「アンチエイジング」へのこだわりは、極論で申せばマイケル・ジャクソンのように

 
「潤沢な財力を背景とし、自身をモンスター化すること」

 
……へと行き着いてしまう。したがって、我々一般人は「ある程度は加齢を受け容れたうえで、家計に無理がない範囲の緩やかな抵抗を目論む」べきであり、それこそが“現代人の正しい年の重ね方”なのである。

 
ところで、「ぶりっこ」(←死語?)だとか「あざとさ」だとか……ばかりがフィーチャーされがちな田中みな実ではあるが、じつは彼女……まだ30代半ばという若さなのに、じつは「名言の宝庫」と呼んでも差し支えがないほど、本当に方々のメディアで老練された素晴らしい言葉を残しまくっている。1年ほど前に私がここcitrusに寄稿したコラムでも「田中みな実の名言」をいくつか紹介させていただいたのだけれど、なかでもNHK総合の『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演した際、「プロフェッショナルとは?」と問われたときの

 

 「期待に応えるのは当たり前だし、応えられないのはプロ失格だし…相手が望む以上のものを安定的に供給できる人、期待以上のことができたらプロフェッショナルと言えるのではないかと思う」

 
……という珠玉の回答には感動と同時に、つい自分の過去にこなしてきた仕事を振り返りつつ反省し、一人のプロフェッショナルの文筆家として、あらためて襟をただしたものである。だから、私は田中みな実のことを高く評価している番組や読み物を発見するたび、いつもうれしい気分になれるのだ。