現在おおまかに50歳以上の方は、青春時代にバブル景気を経験した世代。好景気でちょっとテンション高めの世の中に、ちょっと浮ついた流行語も生まれたりして、なんだか楽しい時代でしたね。
……という冒頭文ではじまる『バブル世代が選んだ「青春の死語」TOP20』なるタイトルの記事を、ランキング専門サイト『ランキングー!』が配信しておった。
同ランキングのインターネットリサーチ調査の対象は50〜60代の男女(有効回答者数2243名:株式会社CMサイト調べ)とのことだが、一般的には「バブル世代」を狭義に解釈すれば「バブル景気(1986年11月〜1991年2月)による売り手市場時に就職活動を行なって入社した世代」のことを指す……らしい。
つまり、1962年生まれの私は、正確には「バブル世代」ではなく、あえて命名するなら「バブル前夜世代」──そして、こうした我々世代は、ギリギリのタイミングでその好景気の恩恵を受けられず、バブルを謳歌する先輩社会人や後輩社会人もしくは学生たちを軽い嫉妬と露骨な羨望の眼差しで眺めていた“ほろ苦な原体験”の持ち主も殊のほか多かったりする。
そんなバブルに対して複雑な想いを抱きながらバブルをニヒリスティックに生き長らえてきた「バブル前夜世代」が、当時の流行語のあれこれを、やはりシニカルな眼で“分析”してみると……? さっそく、その「TOP20」ってヤツをザッと見てみよう。
1位:アッシーくん・メッシーくん
2位:ワンレンボディコン
3位:ナウい
4位:オバタリアン
5位:ハウスマヌカン
6位:3高
7位:チョベリバ・チョベリグ
8位:だっちゅーの
9位:24時間タタカエマスカ
10位:朝シャン
11位:おっはー
12位:〜してちょんまげ
13位:バッチグー
14位:しょうゆ顔・ソース顔
15位:マンモスうれぴー・いただきマンモス
16位:おったまげー
17位:オヤジギャル
18位:マブい
18位:ルンルン
20位:プッツン
とりあえず、ほぼすべては網羅していると一応は褒めておこう(←超上から目線w)。時代的に微妙にズレているワードもいくつか散見されるが、それもそれで良しとする(※ただ、「チョベリバ・チョベリグ」が流行ったのは明らかにバブル崩壊後のギャル全盛期時代!)。
先述したとおり、バブルを謳歌する輩たちを横目に、複雑な想いを抱いていた我々世代は、原則として(たぶん)これらの「バブル語」の使用を当時は意図的に避けていたフシもあった。あるいはそれらをより“カスタムアップ”(?)して使用していた……記憶がある。たとえば、12位の「〜してちょんまげ」だったら「〜してチョビヒゲ」、3位の「ナウい」だったら「イマい」といった具合に……である。
まあ、あくまでアレンジ語ゆえ「チョビヒゲ」や「イマい」が今回ランク外となってしまったのはしょうがない。だがしかし! 我々「パンピー」にとってあのころもっとも忌々しかった、なんでもかんでも逆さまにしてしまう「ギョーカイ用語」が前出のランキングからごっそりと抜け落ちているのは気にかかる。車道に出てタクシーチケットをヒラヒラさせて止めたタクシーにワンレンボディコンのギャル(※当時は若い女性のこと全般を「ギャル」と呼んでいた)を乗せたバブルなヤンエグ(=「ヤング・エグゼクティブ」の略語)どもが、
「これからギロッポン(=六本木)にシ〜ス〜(=寿司)食いに行くんで、そこの道をダリヒー(=左)に曲がって、その次をギ〜ミ〜(=右)なカンジで…」
……みたいな風に好んで使っていた。もしかすると、このランキングのリサーチ対象者側の皆さまさえも、このあまりに特権的でいやらしい響きが、さすがに鼻について思い出したくもなかった……のかもしれませんね(笑)?