昭和・平成・令和と時代時代のサラリーマン像を描いてきた弘兼憲史先生の名作連載漫画『相談役 島耕作』が、『モーニング』の2月24日発売号で最終回を迎えた。
そして、その〆のページには
「次回は『◯◯ 島耕作』? 3月24日発売の17号を乞うご期待!」
……との予告コピーがおどっており、早くもメディアやネット上では「◯◯」の空欄を予想するさまざまな意見が飛び交っているという。
たとえば、お笑いタレントの有吉弘行(47)は2月27日放送に放送された、自身がメインMCを務める『有吉弘行のSUNDAY NIGHTDREAMER』(JFN)で、
「『人間』でしょ。『人間 島耕作』。会社組織から独立した、ただの島耕作。『ただの島耕作』かもしれない」
……と、予想。少々ヒネりすぎなきらいこそあれ、なかなかにイイ線を突いているような気もしなくはない。
SNSなどで寄せられている意見はもうちょっと奔放で、『ユーチューバー 島耕作』『田舎暮らし 島耕作』『地方議員 島耕作』『シルバー人材 島耕作』『庭いじり 島耕作』……なんて風な、ときには字余りすら厭わない大胆な予想も散見されている……のだそう。
「継続は力なり」とはよく言うが、それにしても「課長」からはじまり「部長」「取締役」「常務」「専務」「社長」「会長」「相談役」……と、よくぞここまで島耕作オンリーで引っ張り続けてきたものである。別誌『イブニング』で連載されていた「学生」「ヤング」「係長」も含めれば(※スピンオフ連載には『転生したら島耕作だった件』ってえのまであったらしい!)、一人の男の人生をほぼすべて網羅することになる。
これらに『赤ちゃん 島耕作』と『臨終 島耕作』……さらには『天国 島耕作』(あるいは『輪廻 島耕作』)……あたりが加われば、漫画史上初のパーフェクトピッチング(?)の完全試合(?)達成ではないか! まさしく、〆切を厳守しながら定則的な量産ができる、弘兼先生の漫画家としてのズバ抜けた安定感の賜物であろう。
元外務省主任分析官だった作家の佐藤優さんが、自著『地政学入門』で
『ゲゲゲの鬼太郎』は、プレモダン的な妖怪を題材としているがゆえに、ポストモダン的な要素があるから、今でもけっこう見ることができる。それに対して『課長 島耕作』や『巨人の星』は、モダンそのものだから古さが目立つ。
……みたいな指摘をなされていた。たしかに鋭い着眼だとは思う……けれど、もはや『島耕作シリーズ』は「モダニズムの典型」だとか「古い・新しい」だとかと論じる次元をとっくに超越したウルトラ長寿連載ゆえ、願わくば弘兼先生の作家生命がまだご健在であるかぎり「島耕作を描く」という“ルーティン”を、私はまっとうしてほしい。
……ってなわけで、最後に! とりあえずは、まもなく正解が公表される「相談役」後の「◯◯」を、ここはジョークとか抜きで、真剣に当てに行ってみよう。私は普通に、
『引退 島耕作』
……か、
『終活 島耕作』
……だと予想するのだが、いかがでしょう? 万が一当たったら……citrus編集部サン、なんかください(^^)/