『CoordiSnap(コーデスナップ)』というネットメディアが「その姿は本気です! 男性が溺愛する女性に見せる行動4選」なるタイトルの恋愛コラムを配信していた。とりあえずは、その「4選」ってヤツを以下に紹介しておこう。
(1)会話中に急接近する
(※男は相手に興味がある場合、自然と近くに寄ってこようとする習性がある…とのこと)
(2)二人で食事をとろうとする
(※男は相手に興味がある場合、必ず二人っきりで会おうとする習性がある…とのこと)
(3)一緒に帰ろうとする
(※同じ職場の場合、わざと時間を合わせている可能性も高い…とのこと)
(4)LINEでも連絡を取り合う
(※毎日のようにLINEが来るようなら、それが挨拶メッセージだけだとしてもかなり脈アリ…とのこと)
さて。ここまでを一読した時点で、親愛なるcitrus女性読者の皆さまは、どのような想いを胸に抱いたことでしょう?
「ヤバっ! 4つ全部当てハマってる!? もしかしたら、アタシが密かに想いを寄せているあのカレ…脈アリかも?」
……みたいな風に軽くトキメいちゃったり……しています???
でも、ちょっと待ってほしい。アナタが恋愛対象とする同じ性別「男(♂)」として私は、この「4つ」だけで「脈アリ」とジャッジしてしまうのは早計、あまりに無邪気すぎだと警鐘を鳴らさざるを得ない。
まず、ぬか喜びする前に、相手の「本気」のニュアンス──つまり「好意」の種類を冷静に見極めることは重要であろう。はたして「本気」でカレはアナタを本命のカノジョにしたいのか? それとも「本気」で落としたいだけ、極論すれば “カラダ目当て” なだけなのか?
おそらく、同コラムはタイトルで「溺愛」というワードを使用しているがゆえ、前者を意向していると推測されるが、だとすれば、この「4つ」には最低でも一つ「間違い」がある。「間違い」の正解はズバリ!(1)の「会話中に急接近する」。
仮に「(極論すれば)カラダ目当て」だと、男もぐいぐいと(物理的にも)接近してくるだろう。その「積極的なアプローチ」の度が過ぎて “撃沈” の憂き目にあっても、「じゃあ次行こ、次!」の精神であっさりマインドをスイッチできるからだ。いっぽう、仮に「本命カノジョ狙い」ならば、男の言動は180度変わってくる。
「せっかくこれまで地道に築いてきた今の関係を壊したくない」
……といった心理的なストッパーが働き、極度にミスを恐れるようになる──すなわち、途轍もなく慎重になってしまうのである。ボディタッチなんてとんでもない! ましてや「今日はお泊まりしちゃう」なんて口説き文句はどんなに冗談っぽい口調だって、とてもじゃないけど吐けやしない……。二人っきりになっても、むしろぎこちないくらいに距離を取ってしまうのが「本気」でアナタを「溺愛」している男の、自然な振る舞いなのではなかろうか? 少なくとも私は必ずそうなってしまう。
私は、男とは多くが「本命」の女性と対峙した場合、10代の思春期へと退行する生き物だと考える。その定理に従えば、(3)の「一緒に帰ろうとする」あたりは「4つ」のなかだともっとも信憑性が高い“マニュアル”である気がする。その帰り道、カレが恐る恐る手でもつないできたら……それはもうさすがに「脈アリ」の “判決” を下しても、かまわないだろう。