「普通の人」は本当に “普通” なのか? 婚活女性の発言から伺える、理想の高さについて考えてみた

 

『女子SPA! 』で「恋愛婚活コンサルタント」の肩書きを持つ菊乃というヒトが「普通の男性」について、自身の考えを語っておられた。

 
菊乃さんのもとへと婚活の相談に来た恵さん(仮名・36歳)は、

 

 「元カレは結婚の話をしようとしても向き合ってくれなくて。(中略)だから、話し合いたい問題があるときにうやむやにしないで、ちゃんと向き合って二人で話し合える人が理想です。フィーリングが合って、優しくて、ちゃんと結婚するつもりでいてくれて、最低限度の清潔感がある普通の人がいい」

 
……という “条件” を提示する女性──菊乃さんが「最低限の清潔感って? 」と尋ねたところ、恵さんは

 

 「太っている人は無理なんですよね。今までそういう人と付き合ったことがないし。髪もあったほうがいい」

 
……との回答が。しかし! 菊乃さんは、そんな恵さんにこんなダメ出しをする。

 

 「恵さんの希望は『普通の人』じゃないですよ。(中略)30代だとだいたい3人に1人ぐらいが肥満。30代後半からもっと肥満率は上がって、40代だと4割が肥満ですよ(※1)。髪に関しても30代で4割ぐらい、40代だと5割ぐらいの男性が薄毛で悩んでいるみたいですよ(※2)」(※1=厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果」より。※2=ボイスノート「薄毛に関するアンケート」より)

 
菊乃さんというヒトは非常に優秀な婚活コンサルなんだろう。じつに鋭い忠告だと感心した。「普通の人」を明確に定義づけるのは、掘り下げれば掘り下げるほど難解さを増し、もはやそれは哲学的なテーマですらありうるのだが……まあ、ここではざっくりと「過半数以上をキープ」、つまり

 
「5割以上実在する人=普通の人」

 
……と、定義しておく。試しにたった今、この原稿を執筆している『喫茶室ルノアール恵比寿東口店』の透明なガラス壁から見える、歩行中の30代後半〜40代(に見える)男性をランダムに10人観察してみたら……「太っていなくて髪の毛もちゃんとある人」は、3人しかいなかった。菊乃さんが指摘するとおり、恵さんの “条件” をクリアできる男性は、あんまし「普通」じゃなかったわけである。

 
「太っていて髪がない男性は無理! 」と、頑(かたく)なに言い張るのは別にかまわない。ただ、そこを絶対に曲げたくないのなら、

 
「自分は普通の人を望んでいない→理想が高い=当然のこと理想の人と出会える確率も低くなる」

 
……という “現実” をも同時に受け入れるべきなのではなかろうか? そして、こうした自覚のない恵さんに、菊乃さんは次のような素晴らしいアドバイスをなさっている。

 

「完成された理想の男性より、育てられる男性を見つけましょう! 」

 
「太っている」も「髪が薄い」も、それなりの苦労や出費こそ伴うものの、このご時世においては決して “修正” できないことではない。極論すれば「金遣いの荒さ」……いや、「ギャンブル癖」さえも “教育” 次第ではどうにかなる。要は、「できれば直してほしい」という願いを素直かつポジティブに捉え、あなたのために努力をしてくれるくらいに、あなたのことを愛してくれる資質のある男性を探せばよい……ということだ。