この数日間で私の目にとまった、ある二つの炎上案件について今日は書いてみたい。
一つは、朝の情報バラエティ『めざまし8』(フジテレビ系)にコメンテーターとして出演していた、慶應義塾大学在学中の実業家であるらしい大空幸星さんというヒトが番組中、漫画『ONE PIECE』に関してポツリと語った
「いやぁ、まわりはみんな(『ONE PIECE』を)読んでるんですけど、僕ちょっと読めなくて…。友だちとか仲間とかの友情関係みたいなのが、日常生活であんまり少ない人が読んでいるのかなと思ったんですけど」
……とのコメントが炎上。
「読んだことないくせに偏見だけで発言した人がいる」
「こんな時代によくもまあド偏見な発言をしたな」
「いろんなアンチがいるのはわかるけど、今回はカチンときた」
「(ワンピースを?)舐めすぎでしょこいつ。耳疑ったわ」
「めざまし8でのワンピースの読者に対するイメージは前近代的過ぎる」
……ほか、SNS上では批判の声が殺到しているという。
もう一つは、某ジャニーズ系アイドルの女性ファン二人が、彼女らの推しメンが所属するグループのコンサートにウェディングドレス姿で "参戦" していたことがツイッターによって一部のジャニーズファンのあいだで共有され、それが炎上。
「座席3つ分の面積のスカート…隣の席の人は迷惑だろな〜と思いました。もし私が隣だったら、わざとスソ踏んでやる」
「非常識すぎて話にならんよね」
「ウェディングドレスと花冠でLIVEきて迷惑かからないって思ってるって想像力の欠如がすごい」
……ほか、SNS上ではファンだけではなく一般の人たち(=ジャニーズファンじゃない人たち?)までも巻き込み、批判の声が寄せられている……という。
さて。最初のONE PIECE炎上の件だが、たしかに
「ONE PIECE愛読者=友だちいない→ゆえにONE PIECEの根幹を成している強い仲間意識的な世界観に仮想の自己実現を求める」
……といったロジックはかなり乱暴で、この発言者本人……ひいては『めざまし8』に向けて文句の一つでも浴びせたくなる心情は充分に理解できる。ただ、いっぽうで、たかが一コメンテーターがジョークっぽくつい漏らしてしまった軽口に対し、そこまで躍起になって攻撃せんでも……って気もしなくはない。はたして "燃やすこと" が正しいのか、それとも大人げないのか……よくわからなくなってきた。
次のウエディング炎上の件に至っては、実際に私がこのコンサートに行って、そのとなりの席にこの彼女らがいたわけではないので、これもまた本当に「迷惑」なのかどうか……よくわからない。正直、熱狂的なファンが「結婚したいほど好きです!」みたいな意思表示をするため、決して安くはない金額をはたいて渾身のコスプレでキメるさまは、むしろ微笑ましくもあると感じなくはないのだけれど……いざ、仮にコンサート帰り、自分が彼女らの近くを歩いていて、そのズルズルと引きずっている長いウェディングドレスの裾を知らぬ間に踏んづけて転倒でもさせてしまうような大事(おおごと)にでもなったら……やっぱ、
「そんな大仰なコスプレしてるアンタらが悪いんだろ!」
……と、言い訳の一つくらいもしたくなる。う〜ん……はたして "燃やすこと" が正しいのか、それとも大人げないのか……???
結論を申せば、昨今の炎上の事例は
「100%○○が悪い!」
……と断言できるケースは極めて稀であり、迂闊にその "火祭り" の中心で恍惚に浸ることはできないということだ。