回答に困る質問をされたときは「明確に答える」必要はない? モテ男狩野英孝が実践する「意見直角曲げ法」

 

もう12日ほど前のことだが、6月3日に放送された『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で、「女性から困った質問をされた場合の対処法」なるテーマに対し、松本人志(58)をはじめとする出演者らがアレコレと持論を展開していた。

 

「女性からの困った質問」とは、たとえば「ショートヘアとロングヘアどっちがいい?(=どっちが私に似合ってる?)」だとか「(洋服の色は)白と黒、どっちがいい?(=どっちが私に似合ってる?)」……といった類(たぐい)のもの──ちなみに、松ちゃんは

 

「AとB、どっちがいい?」と問われて、オレがAだと思ったときBって言うと、向こうはだいたい納得するのよ。「スカートとパンツ、どっちがいいと思う?」って、オレはスカートと思っても「パンツやな」って言うと、「だよね」ってなるから。思っている逆法!

 

……と主張していたが、正直ゴメス個人としては、あまりピンと来なかった。それよか、私が「わかる〜!」と猛烈に同感できたのは、共演者の一人だった狩野英考(40)が「この方法だと誰も傷つかない」と提案していた「意見直角曲げ法」!

 

(洋服の色について)「白と黒どっちがいい?」と問われたケースで、「絶対白のほうがいいでしょ。清潔感あるし清楚に見えるし、絶対白のほうが…こっち(黒)もありだな」って感じで…。

 

……みたいに、いきなり会話の展開を急転直下させるわけである。

 

「コレって直角じゃなく180度だろ!?」「白or黒の選択肢に赤とか黄色とかを唐突にぶっこむのが直角なのでは?」とのツッコミは入れたくなったが……また、番組中、他の共演者からも「余計迷う」「答えになってない」などの反論こそ飛び交ってはいたが、私は

 

「さすが、かつては7股だか8股だかをかけていたモテ男だけあるわ〜!」

 

……と、ただただ感心してしまった。

 

じつは、私も原稿を執筆する際、けっこうこの技の "応用形" を使っていたりする。一例を挙げてみよう。とりあえずは、先日citrusに寄稿したばかりのコラム「『ONE PIECE』好き=友情関係が少ない!? コンサートにウェディングドレスで参加!? 最近気になった2つの炎上案件について」を、今一度じっくりと読んでもらいたい。

 

さて。最初のONE PIECE炎上の件についてだが、たしかに

 

「ONE PIECE愛読者=友だちいない→ゆえにONE PIECEの根幹を成している強い仲間意識的な世界観に仮想の自己実現を求める」

 

……といったロジックはかなり乱暴で、この発言者本人……ひいては『めざまし8』に向けて文句の一つでも浴びせたくなる心情は充分に理解できる。ただ、いっぽうで、たかが一コメンテーターがジョークっぽくつい漏らしてしまった軽口に対し、そこまで躍起になって攻撃せんでも……って気もしなくはない。はたして "燃やすこと" が正しいのか、それとも大人げないのか……よくわからなくなってきた。

 

ここでポイントなのは、コメンテーターを批判する人たちを

 

「十分に理解できる」

 

……と、いったんは擁護しながらも

 

「そこまで躍起になって攻撃せんでも……って気もしなくはない」

 

……とも、やんわり皮肉りつつ、最後は

 

「よくわからなくなってきた」

 

……と、〆るくだり。狩野英孝の「意見直角曲げ法」と同様、巧妙に(?)お茶を濁しているだけで答えになっていない──結局のところは、なにも意見していないのだ。

 

やはり前出コラムにあった二つめの「ウェディングドレスのコスチュームでジャニコンに行った二人の女性」に関する炎上案件へのアプローチも似たようなオチであり、「女性から困った質問をされた場合」も「原稿でなんらかの見解を示さなければならない場合」も、大切なのは「自分の意見をはっきりと言うこと」ではなく、「自分の意見をはっきり言った風を装うこと」なんである。ダメですか(笑)???