内閣府が6月14日に公表した『男女共同参画白書 令和4年版』の「特集編 人生100年時代における結婚と家族〜家族の姿の変化と課題にどう向き合うか〜」にあった、とある調査結果が、ちまたに衝撃を与えている……らしい。
なんと! 20代男性の
約4割が「デート経験がない」
約7割が「配偶者・恋人がいない」
(※20代女性でも約2〜3割が「デート経験なし」、約5割が「配偶者・恋人がいない」)
……と、回答しており、政府関係者は「未婚や晩婚化、ひいては少子化にも拍車をかけることにつながりかねない」として、危機感をあらわにしているという。
・趣味や娯楽の多様化によって、若者の恋愛への執着が薄くなってきている
・新型コロナショックの影響でコミュニケーションのリモート化が一気に加速した
・婚活アプリほか、インターネットによる出会いの常態化・主流化
……など、いくつかの要因は容易に分析できる。そして、これらの時代の流れを鑑みるかぎり、先ほどは「なんと!」なんて感嘆詞を一応使ってはみたものの、いっぽうでは
「こんなもんだろ」
……といった、「驚き」というよりはむしろ「納得」の念が脳裏をよぎったのが、正直なところだ。
だって、私が大学生や新米社会人だった40年近く前でも「一度もデートしたことありません」「カノジョができない」みたいなことを憂う男子って、いる所にはウジャウジャしましたからね。ゴメス的な雑感では「一度もデートしたことがない=約3割」「カノジョがいない=約6割」くらい……か?
どっちも今のたった1割減(※繰り返すが、あくまでゴメス個人の雑感であります)──しかも、あのころは「童貞(バージン)であること」に対する同調圧力がハンパなかったので、
「とりあえずは、デートしてカノジョつくって、捨てるもんは捨てとかなきゃ」
……的な風潮も確実にあった。そんな紋切り型の切迫感から(40年前よりは)解放された令和の若者たちは、たとえ恋愛市場から弾き出されても趣味や娯楽やインターネット……という "別天地" があるぶん、恵まれているのかもしれない。したがって、当事者である彼ら彼女らにとって、このたびの内閣府による調査結果は、マスメディアが騒いでいるほどの「衝撃的な数字」でもないのでは……と、私は推測する。
おそらく、ここで言う「デート」とは「リアル対面型」のものを指すと思われるが、最近では
「出会い系サイトで知り合って、ネット上のみでデートを重ね、結婚へと到る」
……ケースも珍しくはないと聞く。いささか無責任かつ楽観的ではあるけれど、決して遠くない将来「バーチャルなデート」もれっきとした「デート」にカウントされる時代が来れば……「未婚や晩婚化、少子化に拍車をかけることにつながりかねない」という政府関係者があらわにする危機感も、多少は軽減されるのではなかろうか。
結婚してからも夫婦が別居しながらネットのみでコミュニケイトするレベルまでバーチャル化が進行してしまったら、さすがにヤバい気もするが……(笑)?
最後に! 今回のこのニュースを受けて「給料が安いからデートもできない」だとか「将来が不安で結婚もできない」だとか……と、政治や社会を批判する声を散見したが、極端な話、戦時中ですら恋愛の関係は成立するものなのだから、そういう論点のすり替えによって自己逃避へと走るような真似だけはやめてほしい。