『CanCam』のネット版『CanCam.jp』が、「私のことが苦手っぽい人」に関するいろいろな考察を、読者アンケートによるデータから論じる主旨の記事を配信していた。さすが(?)老舗の女性ファッション誌が運営しているメディアだけあってか、なかなかにニッチながらも骨太なテーマだと思った。さっそく、その調査結果を以下に紹介してみよう。
Q.「この人、私のこと苦手なのかな?」と思ったことある?
何度もある :33%
1〜2回ある:20%
ない :47%
私は「何度もある」。「数えきれないほどある」と言っても過言ではないくらいだ。まあ、同アンケート調査の対象者は私と40歳近くの年齢差があるのだから「まだまだ人生経験不足!」の一言で片付けてしまうことも可能ではあるものの、それにしたって「ない」と淀みなく回答している人が「50%弱」……という数字には、いささか驚いた。イマドキの女子は何事にもポジティブなのか? あるいはネット社会におけるコミュニケーション深度の低さも一因を担っているのか……?
では、「何度もある」「1〜2回ある」と回答した人たちは、どういうシチュエーションでそれを感じてしまうのだろう?
Q.どんなときにそう思った?
(1) なんとなく
(2) 空気感で
(3) 会話が続かない
(4) 相手の態度が悪い
じつにファジーな回答ばかりだが、私だって「言葉にトゲがある」「しゃべりかけても無視される」「LINEの返信がない」……程度の似たり寄ったりな判断基準を付け加えることがせいぜいなので、結局のところは、
「会話が続かなかったり、相手の態度が悪かったり…と、なんとなくの空気感でそう思った」
……と、前出の回答を並列することによって、よりいっそうのモヤモヤ感だけしか残らない "ファジーを乗じた" 回答を「正解」とするしかない……のかもしれない。
さて! 今回の記事で私がもっとも注目したいのは、次のくだりであった。
Q.「この人、私のこと苦手なのかな…」と察知したら、どう思う?(どうする?)(※複数回答可)
・こちらも苦手になってしまう:36%
・好感を持っている人なら悲しい:26%
・どんな人でも特に気にしない:25%
・どんな人でも悲しい:25%
・苦手にはならないけど、相手のために距離を置く:21%
・好かれるように頑張る:4%
なんと!「距離を置く」と回答した人が約5人に一人しかいないとは!? しかも「苦手にはならない」ままで?
私なら、仮に「自分のことを苦手だと思っているっぽい」という匂いを1ppmでも発散している相手に会ったら最後、即行で距離を置く。「苦手」どころか、私に「興味がなさそう」な人でも仕事上はともかく、プライベートじゃ男女問わず確実に距離を置く。自分のことを苦手としている人や、自分に無関心な人と当たり障りない会話を長時間続けるのってマジ、しんどいですからね。だからこそ、
「自分が好きな人は自分のことを好きな人」
……という "定則" をみずからに徹底することが大切なわけであって、相手の好感度に合わせて自身の好感度を微調整していく作業こそが、私が約60年かけて培ってきた、ストレスレスな人生をすごすための処世術なのである。