男女平等を進めるには「男性に高年収を求める」価値観を変えるべき? とある起業家の意見が興味深かった

 

『PRESIDENT WOMAN(プレジデント・ウーマン)』で「起業家兼アート思考キュレーター」なるナゾの肩書きを持つ若宮和男さんというヒトが、なかなかに興味深いことが書かれているコラムを寄稿なされていた。

 

タイトルは『「男性に高年収を求めないで」女性も本気で価値観を変えないと男女平等は進まない』──どうやら若宮さんは、2年前に「今後は登壇者のジェンダーバランスが取れていないイベントの登壇はしない」と宣言して話題になったヒトらしく、こういうジェンダー問題に関してメディアを通じ、さまざまな提言を発信しているようである。

 

若宮さんは、

 

「誰もが評価軸をアップデートすることが必要。特にカギになるのはアラフォー世代だ」

 

……と前置きしつつ、そのうえで「真の男女平等」を推進していくには、男性側だけではなく女性側も従来の価値観を本気で変えていかねば……と、分析する。

 

今年6月に内閣府の男女共同参画局が発表した『男女共同参画白書』にもありますが、今も20代から60代のすべての年齢層で、3〜4割の女性が「結婚相手は自分よりも年収が高い方が望ましい」と答えています。まだまだ、男性、特に結婚相手に対して、高年収を求める女性は多い。

 

でも、「年収を上げなくては」となると、男性の側も、昇進の椅子取りゲームから降りることができなくなってしまいます。男性も、もっとそれ以外の活躍の方法を選択してもいいはずです。

 

こうした価値観というのは、本当に変えるのが難しい。(中略)(僕も)女性と食事をしたときは「男性がごちそうすべきではないか」と思ってしまうし、「プロポーズは男性からすべきじゃないか」とか、「男性なんだからちゃんと稼がないと。強くないと」と思っているところがある。そういった意識を変えていかないといけないと思っています。

 

「まったくもってそのとおりではないか!」と、激しく同感した。女性側が、

 

「私もそれなりに収入はあるから、一社会人として真っ当な年収程度さえ稼いでくれていたら、それで充分ですよ」

 

……との一言を心底から添えてくれただけで、男性側もずいぶんと肩の荷が降り、女性への接し方も劇的に変化するはず……。ジェンダー問題に敏感な方々からよく標的になりがちな「ミスコン」だって、批判するなら開催する男性側だけを攻撃するのではなく、それに嬉々として参加している女性側にもなんらかの問題提起を促さなければならないということだ。

 

とりあえずは、結婚相談所や婚活アプリが公開するプロフィールにお約束のごとく表記されている「男性の年収欄」を撤廃しちゃえばいいのでは……と、私は考える。もしくは女性のプロフィールも男性と同様「年収欄」の記載を義務付けするのでもかまわない……。男女問わず、より多く稼げる側が家計の中心を担えばいい──そんな発想が「当たり前」とならないかぎり、男女の社会的立場の格差はいつまで経っても平行線のままなのではなかろうか。

 

あと、ついでに! 「年輩男性=お金持ち」というおじ(い)さん(逆?)差別も、とっとと無きものとしていただきたい(笑)! そういう根強い先入観が、結果として高年齢者を一般世間からつまはじいてしまっている側面もあるだろう……と、私は常々痛感している。

 

「アラカン世代が必ずしもお金を持っているとはかぎらない!」

 

……若い世代がこうカジュアルに見なしてさえしてくだされば、逆に我々だって「もっと頑張らねば!」と現役感をキープし続けることができる……のかもしれない?