「仕事と家庭、どちらも大切にしながら忙しい毎日を送る女性のためのWebメディア」をコンセプトとする情報サイト『kufura(クフラ)』が、既婚男女360人(男性:150人/女性:210人)を対象に行ったアンケート調査を基として「会話が弾む夫婦と弾まない夫婦の違い」について考察する旨の記事を配信していた。
とりあえず、調査対象となった男女の「夫婦の会話」は、以下のような現状であった。
よく弾んでいる:21.1%
まあまあ弾んでいる:47.8%
あまり弾んでいない:22.2%
まったく弾まない::8.9%
「弾んでいる」と「弾んでいない」の二択に分類してしまえば、おおよその比率は「7:3」といったところか?
ちなみに、「弾まない」側の人たちが挙げる理由は、
【夫側の理由】
・妻の愚痴が多く面倒になる
・仕事の関係で(時間的に)すれ違いの日々が続いている
・おたがいのことに興味がなくなってきた
【妻側の理由】
・話しかけても「うん」としか返ってこない
・夫が帰ってきても、スマホしか見ない
・会話がネガティブでうんざりする
……ほかさまざまで、同記事の筆者は、
いずれか一方の共感や傾聴の姿勢が著しく欠けているケースもあるのでしょうが、日常の空気感から徐々に会話が弾まない状態が定着していったケースも多いのかもしれません。
……と、分析する。対して、「弾んでいる」側の人たちは、主に
(1)共通の趣味・共通の関心の話
(2)子どもの話
(3)ペットの話
(4)とりとめもない話
……などをネタに盛り込んで、会話を “動かして” いるという。
さて! すでにそれなりの長い年月を共にしてきた夫婦である。そんな酸いも甘いも噛み分け合ってきた男女のあいだに、はたして「会話を弾ませること」自体が本当に必要なんだろうか?
同記事に掲載されていた調査対象者の意見のなかで、二つほど注目すべきコメントがあった。
「とくに(会話を)弾ませるつもりはない」
「共通の趣味などはとくにないが、なんとなく波長が合って会話が弾むから不思議」
そう! 会話が弾むとか弾まない云々は、じつを申せばわりとどーでも良くて、むしろ重要なのは
「会話がない状態が苦になるかならないか」
……なのではなかろうか。「波長が合っている」というのは、要するに
「これまでの人生で育んできた心身のリズム感が似通っている」
……ってことだと私は思う。そうなれば、会話したいときとしたくないときのタイミングも “同調” してくるもので、おのずと「会話がない状態」も苦にならなくなってくる。「趣味」「子ども」「ペット」……と、どんなに共通の話題が豊富であっても、50代60代になればその “量” は必ず底をついてしまう……。
したがって、仮にあなたたち夫婦が “まだ” 「話題の無さにストレスを感じてしまう」レベルの段階であるならば、そんなとき
「いかに空気のごとく(=存在感を希薄にする努力をしながら)自分勝手な個人行動へと没頭できるか」
……を念頭とし、まずは「双方のリズム感をすり寄せる訓練」に励むべきなのではなかろうか。