タレントの田中みな実(35)と指原莉乃(29)が「人には言えない女子のお悩みに堂々アンサー」してくださる……という主旨の記事を、女性誌『ar』の公式サイト『ar web』が配信していた。
どうやら『さっしーの部屋』という指原の連載企画に田中がゲスト出演を果たした模様で、冒頭には
なななななんと今月は! 日本中の女のコにとって憧れの存在・田中みな実さんが、さっしーの部屋に降臨! 美にまつわるハナシはもちろん、気のおけない関係だからこそのヒソヒソバナシも誌上でたっぷりしてくれたスペシャル回、始まるよ〜!
……との煽り文が!? 「田中みな実って、そこまで女性からの好感度が高いタイプのタレントさんじゃないだろ…」と、ややツッコミたくはなったものの、私はこの二人がメディア上で放言する主義主張には、わりと同感できる部分が多い派だったりするので、さっそく下へ下へとスクロールしてみると……やっぱ、けっこうイイことをおっしゃっておりました!
なかでも、もっとも納得できたのは
「友達が少ないってださいことなのでしょうか?」
……という、読者から寄せられた質問に対する「アンサー」のくだりである。
指原「友達が少ないのって、私はむしろ誇れることだと思いますね。大事な人が明確なのってシンプルに生きやすいと思うんですよ。例えば結婚式をするってなった時、 “あの人を呼んだらこの人も呼ばなきゃ…” とか悩まなくていいわけだし。すごく気が楽ですよね」
田中「そうなんだよね。友達が多いのって傍から見てると楽しそうではあるんだけど、そのぶん交友関係が広くなるから変な噂話とか煩わしいことに巻き込まれることが増えるのも必然で。今いるお友達とお互いを大切にし合えれば、なんだかんだそれが一番幸せな気が私はする」
「大事な人が明確なほうがシンプルに生きやすい」
「交友関係が広くなれば、煩わしいことに巻き込まれることも増える」
「さすがだなぁ!」と、ついつい唸ってしまう、素晴らしい “教え” ではないか。内容的にはとくに目新しさを感じさせるものでもない──むしろ「友だち少ない」を肯定するにはスタンダードに属するたぐいのロジックであるが、それを明文化するにあたっての言葉のチョイスと組み合わせが、じつに秀逸だと言えよう。
私はこの “真理” に50歳を過ぎたころ、やっと気づくことができた。そして、気づくことができたおかげで、還暦間際にしてようやく「人脈」などという下品な単語に惑わされることのない、穏やかな人間関係の構築が完成しつつある。
ポイントは、まず「知人」を「友人」と「それ以外」の二つにばっさり分割することであって、そのうちで「どっちに入れたらいいかを迷ってしまう層」を「仲間」で括ってしまうことだと思う。「仕事仲間」「ご近所さん仲間」「草野球仲間」……みたいな風に、だ。そうすれば、「友人=友だち」の数はおのずと激減し、その「友人」「仲間」「それ以外」ごとの相手に対して「自分がしてあげられること」も明確になってくる。
また、「自分がしてあげられること」が有限である以上、無償の関係であるべき「友だち」の数は精選せざるを得なくなる──そんな境地に30代や20代で早くも到達しようとしている、指原莉乃と田中みな実って……「いったい何者なんだ!」と、ただただ溜飲を下げるばかりの私なのであった。